にっぽんいちなつかしい ゆうえんち「るなぱあく」♪ 前橋さんぽ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「るなぱあく」は前橋にある遊園地。

「にほんいちなつかしいゆうえんち」


というのがコンセプト。

 


いいあじわいの木馬、

 

なんと、いまでも、木馬など10円!?


大型のものは50円。


付き添いは無料。

 

 


かつて「前橋中央児童公園」という名で、


子供のころ、遊びに行ったり、


動物園もあって、ここに孔雀もいたり。


いまはないけれど観覧車が好きでした。

 



いまの「るなぱあく」という名は公募ですが、


萩原朔太郎の詩「遊園地」に


「るなぱあく」とルビがあることから決まったとか。


 

 

 

 

 

萩原朔太郎撮影の「前橋公園」(前橋文学館蔵)

 

 


ここは朔太郎撮影の写真では石垣だったのが


カーブのゆるやかなコンクリートの弧にかわって。



「るなぱあく」の場所は臨江閣(りんこうかく)の

 

道路の向かい側に。








こんもりした樹々にかこまれた「るなぱーく」。

 

左の真ん中あたりに飛行塔。

 

 

  遊園地        
          萩原朔太郎


 遊園地るなぱあくにて


遊園地(るなぱあく)の午後なりき

樂隊は空に轟き

轉木馬の目まぐるしく

艶めく紅べにのごむ風船

群集の上を飛び行けり。


今日の日曜を此所に來りて

われら模擬飛行機の座席に乘れど

側へに思惟するものは寂しきなり。

なになれば君が瞳孔ひとみに

やさしき憂愁をたたへ給ふか。

座席に肩を寄りそひて

接吻きすするみ手を借したまへや。


見よこの飛翔する空の向うに

一つの地平は高く揚り また傾き 低く沈み行かんとす。

暮春に迫る落日の前

われら既にこれを見たり

いかんぞ人生を展開せざらむ。

今日の果敢なき憂愁を捨て

飛べよかし! 飛べよかし!


明るき四月の外光の中

嬉嬉たる群集の中に混りて

ふたり模擬飛行機の座席に乘れど

君の圓舞曲わるつは遠くして

側へに思惟するものは寂しきなり。