「るなぱあく」は前橋にある遊園地。
「にほんいちなつかしいゆうえんち」
というのがコンセプト。
いいあじわいの木馬、
なんと、いまでも、木馬など10円!?
大型のものは50円。
付き添いは無料。
かつて「前橋中央児童公園」という名で、
子供のころ、遊びに行ったり、
動物園もあって、ここに孔雀もいたり。
いまはないけれど観覧車が好きでした。
いまの「るなぱあく」という名は公募ですが、
萩原朔太郎の詩「遊園地」に
「るなぱあく」とルビがあることから決まったとか。
萩原朔太郎撮影の「前橋公園」(前橋文学館蔵)
ここは朔太郎撮影の写真では石垣だったのが
カーブのゆるやかなコンクリートの弧にかわって。
「るなぱあく」の場所は臨江閣(りんこうかく)の
道路の向かい側に。
こんもりした樹々にかこまれた「るなぱーく」。
左の真ん中あたりに飛行塔。
- 遊園地
- 萩原朔太郎
遊園地るなぱあくにて
遊園地(るなぱあく)の午後なりき
樂隊は空に轟き
轉木馬の目まぐるしく
艶めく紅べにのごむ風船
群集の上を飛び行けり。
今日の日曜を此所に來りて
われら模擬飛行機の座席に乘れど
側へに思惟するものは寂しきなり。
なになれば君が瞳孔ひとみに
やさしき憂愁をたたへ給ふか。
座席に肩を寄りそひて
接吻きすするみ手を借したまへや。
見よこの飛翔する空の向うに
一つの地平は高く揚り また傾き 低く沈み行かんとす。
暮春に迫る落日の前
われら既にこれを見たり
いかんぞ人生を展開せざらむ。
今日の果敢なき憂愁を捨て
飛べよかし! 飛べよかし!
明るき四月の外光の中
嬉嬉たる群集の中に混りて
ふたり模擬飛行機の座席に乘れど
君の圓舞曲わるつは遠くして
側へに思惟するものは寂しきなり。