大輪の<悪の華>仁左衛門! 通し狂言「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」は10年前!?  | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)

 

ふと手に取ったプログラム。

 

仁左衛門の舞台姿が、くっきりと。

 

2012年、10年前でしたか・・・!?

 

 

そのブログをこちらに

 

 

 

絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)四幕十二場

 

作 鶴屋南北

 

 

国立劇場の桜は満開から飛花落花へ。


舞台に大輪の<悪の華>が咲きほこる。
 

 

昨年の地震で公演中止になった芝居。


チケットを取っていたのですが・・・


再演の声が多数あって、今年の上演が決まったとか。



仁左衛門の<悪>、


それも南北のものがいい。


かつて玉三郎の「お岩」との色悪伊右衛門、


あるいは「盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)」の源五兵衛。


劇場の空気が「恐さ、怖さ」で染め上げられるのは


仁左衛門ならでは。



今回は二役、時代物と世話物、


序幕から地を這うような凄みのあるというより、


声音そのものが<凄惨>といえる低い声、


主人公大学之助の下郎を


有無を言わさずを切り殺す場から始まる。



芝居が進むにつれ、


自分の意にそまぬ、邪魔立てする輩は


武士であろうが、女、子どもであろうが、


なんのためらいもなく殺す。



かたや市井にうごめく立場の太平次、


うんざりお松の時蔵がじつに艶かしい。


蛇使いという設定が秀逸。


二人のいかにも情を通じた男女の


掛け合いがなんとも色っぽい。



こちらも殺す、殺す。


どれだけの登場人物が殺されてゆくことか。



複雑なストーリーを、場面を監修し


今回の芝居にしたとのこと。


それでも12時半から5時まで。

 



◆あらすじはこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B5%E6%9C%AC%E5%90%88%E6%B3%95%E8%A1%A2

 



   序  幕   第一場    多賀家水門口の場
         第二場    多賀領鷹野の場
         第三場    多賀家陣屋の場
   
   二幕目   第一場    四条河原の場
         第二場    今出川道具屋の場
         第三場    妙覚寺裏手の場
   
   三幕目   第一場    和州倉狩峠の場
         第二場    倉狩峠一つ家の場
         第三場    倉狩峠古宮の場
         第四場    元の一つ家の場
   
   大  詰   第一場    合法庵室の場
         第二場    閻魔堂の場



 片 岡  仁左衛門
 中 村  時    蔵
片 岡  孝 太 郎
 片 岡  愛 之 助
 市 川  男 女 蔵
 中 村  梅   枝
 片 岡  市   蔵
 市 川  高 麗 蔵
 坂 東  秀   調