序幕の大塚村蟇六内の場での

 

                     菊之助の犬塚信乃と梅枝の浜路は

 

                       ハッと目が覚めるほど美しい。 

 

松緑の網乾左母二郎の、<悪>がいい。


 

第二場が円塚山。


 菊五郎の犬山道節は、もうもう貫禄たっぷり、

 

さすがの貫目。

 

松緑二役の犬飼現八、

 

花道の「飛び六方」がなんとも鮮やか!

 

踊りで鍛えられた手足、

 

引き締まって、一分の隙もない。

 

 

二幕目、足利成氏館での

 

菊之助の信乃の、

 

前髪の若衆振りが綺麗なこと、

 

衣装も淡い色味が一層うつくしさを引き立てて。


 
 この馬琴の「南総八犬伝」

 

人情劇とか情念でのドラマではなく、

 

役者の芸の味わいで観るのだなぁ、と

 

あらためて思った舞台。

 

 

 

あらすじと役者をこちらに。(チラシの裏)