歌舞伎「南総里見八犬伝」
1月国立劇場の通し狂言を録画で観ました。
動く錦絵といった舞台で、
菊五郎劇団ならでは多士済々の
役者を味わい、観る愉しみでしょうか。
幕開きは菊之助の語りとイラストレーションで、
里見家の不運と伏姫と八房の物語で始まり、
序幕の大塚村蟇六内の場での
菊之助の犬塚信乃と梅枝の浜路は
ハッと目が覚めるほど美しい。
松緑の網乾左母二郎の、<悪>がいい。
第二場が円塚山。
菊五郎の犬山道節は、もうもう貫禄たっぷり、
さすがの貫目。
松緑二役の犬飼現八、
花道の「飛び六方」がなんとも鮮やか!
踊りで鍛えられた手足、
引き締まって、一分の隙もない。
二幕目、足利成氏館での
菊之助の信乃の、
前髪の若衆振りが綺麗なこと、
衣装も淡い色味が一層うつくしさを引き立てて。
この馬琴の「南総八犬伝」
人情劇とか情念でのドラマではなく、
役者の芸の味わいで観るのだなぁ、と
あらためて思った舞台。
あらすじと役者をこちらに。(チラシの裏)