「ホフマン物語」ハンブルグオペラ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オペラ「ホフマン物語 Les Contes d'Hoffmann」は

 

詩人ホフマンと四つの恋物語。

 

ジャック・オッフェンバック作曲。

 

ハンブルク国立歌劇場(2021年9月)の

 

新演出です(ケイ/ケック版)。

 

その演出はD.F.パスカで、

オリンピック閉会式やシルク・ドゥ・ソレイユをやっているとのこと。

 

 

 

「ホフマン物語」の公式トレーラーはこちら

 

 

 

 


 
 


 

        

演出はまさにシルク・ドゥ・ソレイユですが、

 

読み替えはなく、音楽の流れに沿っています。

 

舞台を縦横縦横に使って、

 

宙に人が浮いて、舞っていたり。

 

舞台美術、衣装も凝っていて美しい。

 

2幕、3幕のオリンピア、アントニアの

 

ブルーの諧調がことのほか印象的。

 

 

 

そのオリンピア(自動人形)、

 

アントニア(胸を病む娘)、

 

ジュリエッタ(高級娼婦)、

 

ステッラ(歌手)、

 

この4役を歌いわけるのは至難の業。

 

4人のソプラノがそれぞれの役を歌うのがオーソドックスですが、

 

 

ペレチャッコのソプラノの

 

歌唱といい、演技といい素晴らしいこと!

 

その美貌は輝いています。

 

なかでもアントニアが魅せます。

 

美術はモルフォ蝶の採集箱が天井まで連なる室。

 

そこにアントニアも<囚われの蝶>という設定が

 

胸の病をやしなうアントニアを象徴して見事。


 

 

ミューズ/ニクラウスのA.ブラウアはいいですね。

 

ジュリエッタのペレチャツコとの

 

あの有名な重唱「ホフマンの舟唄」も聞きごたえがありました。

 

タイトルロールのB.ベルネーム

 

高音が伸びやかで、

 

酒場で歌うクラインザックもいい。

 

 


リンドルフ、コッペリウス、ミラクル、ダッペルトゥット

 

演じるL.ピザローニ、

 

かなり奇抜な顔のつくりと

 

長い爪でじつに個性的。

 

この役が存在が「ホフマン物語」を決めるかも。

 

 

充実した<声>と音楽、

 

綺麗な美術・衣装、

 

無理のない演出で楽しめたオペラ♪

 


こちらに舞台写真がたっぷり掲載されて。

 

新作オペラFLASH 2021/2022[ハンブルク州立歌劇場]ホフマン物語 | 月刊音楽祭 (m-festival.biz)

 

 


  
【出 演】
 ・ホフマン:バンジャマン・ベルネーム [Benjamin Bernheim]


 ・オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:オルガ・ペレチャツコ [Olga Peretyatko]


 ・ミューズ/ニクラウス:アンジェラ・ブラウアー [Angela Brower]


 ・リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダッペルトゥット:ルカ・ピザローニ [Luca Pisaroni]


 ・アンドレス/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:アンドリュー・ディキンソン [Andrew Dickinson]


 ・ルーテル/クレスペル:マーティン・サマー [Martin Summer]



【合 唱】ハンブルク国立歌劇場合唱団


【管弦楽】ハンブルク国立歌劇場管弦楽団


【指 揮】ケント・ナガノ [Kent Nagano]


【演 出】ダニエル・フィンジ・パスカ [Daniele Finzi Pasca]



収録:2021年9月19・22日 ハンブルク国立歌劇場(ドイツ)