オペラ「ホフマン物語 Les Contes d'Hoffmann」は
詩人ホフマンと四つの恋物語。
ジャック・オッフェンバック作曲。
ハンブルク国立歌劇場(2021年9月)の
新演出です(ケイ/ケック版)。
その演出はD.F.パスカで、
オリンピック閉会式やシルク・ドゥ・ソレイユをやっているとのこと。
「ホフマン物語」の公式トレーラーはこちら
演出はまさにシルク・ドゥ・ソレイユですが、
読み替えはなく、音楽の流れに沿っています。
舞台を縦横縦横に使って、
宙に人が浮いて、舞っていたり。
舞台美術、衣装も凝っていて美しい。
2幕、3幕のオリンピア、アントニアの
ブルーの諧調がことのほか印象的。
そのオリンピア(自動人形)、
アントニア(胸を病む娘)、
ジュリエッタ(高級娼婦)、
ステッラ(歌手)、
この4役を歌いわけるのは至難の業。
4人のソプラノがそれぞれの役を歌うのがオーソドックスですが、
ペレチャッコのソプラノの
歌唱といい、演技といい素晴らしいこと!
その美貌は輝いています。
なかでもアントニアが魅せます。
美術はモルフォ蝶の採集箱が天井まで連なる室。
そこにアントニアも<囚われの蝶>という設定が
胸の病をやしなうアントニアを象徴して見事。
ミューズ/ニクラウスのA.ブラウアーはいいですね。
ジュリエッタのペレチャツコとの
あの有名な重唱「ホフマンの舟唄」も聞きごたえがありました。
タイトルロールのB.ベルネームは
高音が伸びやかで、
酒場で歌うクラインザックもいい。
リンドルフ、コッペリウス、ミラクル、ダッペルトゥットを
演じるL.ピザローニ、
かなり奇抜な顔のつくりと
長い爪でじつに個性的。
この役が存在が「ホフマン物語」を決めるかも。
充実した<声>と音楽、
綺麗な美術・衣装、
無理のない演出で楽しめたオペラ♪
こちらに舞台写真がたっぷり掲載されて。
新作オペラFLASH 2021/2022[ハンブルク州立歌劇場]ホフマン物語 | 月刊音楽祭 (m-festival.biz)
【出 演】
・ホフマン:バンジャマン・ベルネーム [Benjamin Bernheim]
・オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:オルガ・ペレチャツコ [Olga Peretyatko]
・ミューズ/ニクラウス:アンジェラ・ブラウアー [Angela Brower]
・リンドルフ/コッペリウス/ミラクル/ダッペルトゥット:ルカ・ピザローニ [Luca Pisaroni]
・アンドレス/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:アンドリュー・ディキンソン [Andrew Dickinson]
・ルーテル/クレスペル:マーティン・サマー [Martin Summer]
【合 唱】ハンブルク国立歌劇場合唱団
【管弦楽】ハンブルク国立歌劇場管弦楽団
【指 揮】ケント・ナガノ [Kent Nagano]
【演 出】ダニエル・フィンジ・パスカ [Daniele Finzi Pasca]
収録:2021年9月19・22日 ハンブルク国立歌劇場(ドイツ)