<ムットーニが語る「殺人事件」> ムットーニ氏の生朗読も♪ 2018年のこと @前橋文学館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああこれはなんという美しい憂鬱だろう

 

ムットーニのからくり文学館」

 

いま、前橋文学館で催されています。

 

 

その<ムットーニの語る ボックスシアター「殺人事件」>

 

「殺人事件」をトークされたのはムットーニ氏。

 

「殺人事件」はあの萩原朔太郎の詩。

 

3年前のクリスマスイブの今日のこと。

 

 

そのおりのブログを、どうぞ。

 

 

<ムットーニが語る ボックス・シアター「殺人事件}>

前橋文学館で催され、参加してきました。

「ムットーニとは、アーティスト武藤政彦の別名であり、

作り出す作品そのもの」とのこと。

 

 

 

 

 

 



萩原朔太郎「殺人事件」、

 

今年2018年に前橋文学館に収蔵され、

ただいまの「この二人はあやしい」展でお披露目されています。



立体の箱のなかで繰りひろげる、

人形の複雑な動き・光・音楽まさにシアター。

ムットーニ氏は俳優であり、演出家であり、

照明、美術、音楽を

ひとりで何役も兼ねる作家。

その創り出す世界はかつてなかったもの。



詩「殺人事件」を読み、

読み込んだものをどのように作品に落とし込んでゆくか、

貴重な話しをたっぷり聴けました。



話しぶりも鍛えた<声>。

その声で、ムットーニ氏の<朗読>で

 

「殺人事件」をじっくりと聴くことができました。



さらに芥川龍之介「蜘蛛の糸」、

「ま、クリスマス・イブに「殺人事件」と「地獄」もなんですから」、と

「キャバレー」で華やかに幕。


ムットーニ・ボックスシアター「殺人事件」は

「この二人はあやしい」で上演されていますので、

ぜひ、とうぞ。

2019年1月20日(日)まで。

 

 

◆ムットーニ・ホームページ

http://www.muttoni.net/about/index.html

 

 

 

 

   殺人事件       

                             萩原朔太郎

 

とほい空でぴすとるが鳴る。

 

またぴすとるが鳴る。

 

ああ私の探偵は玻璃の衣裝をきて、

 

こひびとの窓からしのびこむ、

 

床は晶玉、

 

ゆびとゆびのあひだから、

 

まつさをの血がながれてゐる、

 

かなしい女の屍體うへで、

 

つめたいきりぎりすが鳴いてゐる。

 

上旬しもつきはじめのある朝、

 

探偵は玻璃の衣裝をきて、

 

 

十字巷路(よつつぢ)を曲がった。

 

十字巷路に秋のふんすゐ。

 

はやひとり探偵はうれひをかんず。

 

みよ、遠いさびしい大理石の歩道を、

 

曲者(くせもの)はいつさんにすべつてゆく。

 

 

 

まだやっています♪