異端、奇書・希書、黒魔術への誘惑者、
澁澤龍彦の展覧会は
2017年のこと。
膨大な資料、直筆原稿や著作など、
見どころ満載の展示でした。
そのおりのブログをどうぞ。
「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」展、
世田谷文学館で観る。
澁澤龍彦は仏文学者、評論、エッセイはもとより、
その典雅にして流麗な日本語訳で
どれほどの作家を知ったことか。
バタイユ、サド、ユイスマンスなど、
その毒にみちた著作の数々。
マニエリスムやシュルレアリスムの世界を披いたのも
澁澤によって。
原稿、草稿、メモなども
じつに丁重に保管され、展示されている。
小説『高丘親王航海記』の自作の地図も興味深い。
膨大な和洋の蔵書。
メルベールの関節人形や絵画やオブジェ、などなど。
ジャン・コクトーの手紙もありました。
博物誌的といえば、
南方熊楠の菌類(きのこ)、
南方の写生画と英語の原文の展示も。
12月17日(日)まで。
いらっしゃるようでしたら、
ゆったりと時間をとって、お出かけください。
◆世田谷文学館 ホームページ
フランス文学者であり、翻訳、評論、エッセー、
小説にわたる多くの作品を執筆した澁澤龍彦。
没後30年を迎える本展では、
独自の文学表現活動を「澁澤スタイル」として、
その創作と足跡をあらたな視点から総覧します。
澁澤はサドをはじめとする異色の文学を出発点としました。
転機となったエッセー集『夢の宇宙誌』、
代表作『高丘親王航海記』など300点を超える
草稿・原稿・創作メモ類の自筆資料、愛蔵の美術品やオブジェ、
和洋の蔵書などから、表現活動の背景と博物誌的魅力に迫ります。
伸縮自在な澁澤龍彦の創作世界、
ドラコニアの領域にようこそ。
◆澁澤龍彦(しぶさわ・たつひこ)
仏文学者、作家、批評家。
1928年東京生まれ。本名龍雄。東京大学文学部仏文科卒業。
サドの著作をはじめ、マニエリスムやシュルレアリスムのような
異色の文学や美術、思想を紹介し、
60年代以降の日本の文化・芸術に影響を与えた。
博物学的エッセーから後年の幻想的小説まで広く活躍し、
今も多くの読者を持つ。
81年に『唐草物語』で泉鏡花文学賞、
没後88年に『高丘親王航海記』で読売文学賞を受賞。
著作に『夢の宇宙誌』、『胡桃の中の世界』、『思考の紋章学』、
訳書にサド『マルキ・ド・サド選集』、ユイスマンス『さかしま』、
ジャリ『超男性』など多数。87年没、享年59歳。
澁澤龍彦著作(世田谷美術館Twitterよりお借りしました)