泉鏡花の俳句、
全544句をまとめた句集があります。
「泉鏡花俳句集」紅書房
金沢の泉鏡花記念館の館長・秋山稔編です。
泉鏡花(1873-1939)の
「天守物語」「外科室」など
幻想的で艶な戯曲や・小説、
その味わいが俳句にも滲んでいます。
うすものの螢を透かす螢かな
髪長き螢もあらむ夜はふけぬ
爪紅の雪を染めたる若葉かな
抱きしめて逢う夜は雪のつもりけり
なかでも次の句には凄艶で唸りました。
わが恋は人とる沼の花菖蒲
◆本の紹介より
泉鏡花は明治24年、
十八歳で尾崎紅葉に弟子入りした半年後より、
没する昭和14年まで、
詠み続けた俳句を四季別に配列。
既刊の全集収録句に加え、
随筆・紀行文・書簡類・俳句草稿・句会草稿より、
現在確認出来得る鏡花の俳句544句を収録。
巻末に解説・略年譜・五十音索引。
鏡花俳句鑑賞「わが恋は人とる沼の…」詩人 高橋順子
「現世に働きかけるもう一つの世界の影を描くという点で、
俳句と小説の境はない」
秋山稔・編者 金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長
(泉鏡花の画像はウキペディアよりお借りしました)