圧巻です! プラシド・ドミンゴのゲルマン。
チャイコフスキー作曲 オペラ「スペードの女王」
このオペラは2度目、通しで観ました♪
ドミンゴのロシア語での歌唱、
ホロストフスキーの初々しい姿や
貴重なドミンゴとの共演が観られました。
前奏曲が流れ、舞台に巨大な額縁が置かれる。
そこでカードを手にしたドミンゴ(ゲルマン)。
その風雪に刻み込まれたような顔、
どうしようもなくカード(賭博)に憑りつかれ、
破滅にむかう人間がくっきりと現れる。
人物の造形、その感情や心象の表現、
気迫のこもった歌唱、もうすべてが
このドミンゴを聴くためにあるような生々しいオペラ。
(この動画はドミンゴのFBからお借りしています)
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この赤いドレスの伯爵夫人、
カードを支配できる力をもっていると信じた、
ゲルマンにショック死させられる。
ここでは霊となってその秘密を明かすのだが・・・
この老婦人を歌うのがエリザベート・セーデルストローム、
3幕ではフランスでの華やかな昔を思い出して歌う
フランス語のアリアもあって、
その確かな存在感に唸りました。
侯爵の2幕でのアリア、
フォロストフスキーの「私は愛している」切々として。
三幕のカードの場面ではあたりを圧していました。
オペラの脚本はあらあら・・・かな、なのですが、
チャイコフスキーの音楽が壮大で、なにより美しい。
ゲルギエフの指揮で、
メトロポリタンオーケストラの重く厚みをもった音が
叙情が<ロシア>を濃厚に奏でて。
分厚い、濃密なオペラを堪能しました。
◆「スペードの女王」
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
演出:エリヤ・モシンスキー 1999年4月15日より。
ゲルマン: プラシド・ドミンゴ (テノール)
リーザ:ガリーナ・ゴルチャコワ(ソプラノ)
エレツキー侯爵:ドミトリー・ホロストフスキー (バリトン)
伯爵夫人:エリザベート・セーデルストローム、
ポリーナ:オルガ・ボロディナ
トムスキー伯爵:ワシリー・ゲレーロ (バリトン)
チェカリンスキー (テノール)