俳人・阿部完市、
旅立たれたのは2009年2月19日。
阿部完市先生(通称 あべかん)の色紙の画像です。
昼顔のか揺れかくゆれわれは昼顔 完市
阿部俳句の好きな句を
書いてくださる、とのことで、この句に。
浦和での句の講義など、
懐かしく回想していました。
安部完市・俳句講座を2年ほど受講していました。
月に一回、3時間の講座で、
句会を中心に講義で10名いたか、どうかの
非常に時間もゆったりと内容も充実して。
えいさらえい熊野湯の峰桜騒 掌
ある時「地名」の兼題が出て、この句を提出。
で、
阿部先生、この句を見ると
すぐ日本地図をささっと黒板に書き、
小栗が毒酒で餓鬼阿弥(がきあみ)となり、
その身を熊野湯の峰まで車に引かれて行く、
この道筋をじつに克明にたどり、
詳細な解説がつづいて!
安部先生、博覧強記なことはむろんのこと、
「道行」などの著作もある方と知っていましたが、
(この中世説話「小栗(おぐり)」についてもとりあげて)
目の当たりにして驚きました。
阿部先生というとこのことが
思い出されるほど印象がくっきり、と。
この句評は覚えていないのですが(笑)
◆阿部 完市(あべ かんいち、1928年1月25日 - 2009年2月19日)
俳人、精神科医。東京生まれ。
1962年 金子兜太の「海程」4号より入会、同人。
1965年 第2回海程賞
1970年 第17回現代俳句協会賞
1974年より「海程」編集長。
現代俳句協会、国際俳句交流協会、日本ペンクラブ会員。
現代俳句協会の副会長を1997年から2008年まで務めた。
句集『無帽』『絵本の空』『純白諸事』
『軽のやまめ』『阿部完市全句集』
扉に句 ほんとうにやまめかるくてかくれてくに 完市
評論『俳句幻形』『俳句心景』
少年来る無心に充分に刺すために
ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん
栃木にいろいろ雨のたましいもいたり
精神はぽつぺんは言うぞぽつぺん
きつねいてきつねこわれていたりけり
有季定型や客観写生に縛られない独特の韻律で、
意味性以前の言葉の無意識性にまで
遡ろうとする前衛的な句風。
(ウキペディアより)