この2020年12月
「海程」の先輩俳人の句集が次々に刊行されています♪
ご恵与にあずかった句集の紹介を。
◆若森京子「蠟梅」文學の森
金子兜太の若森句の鑑賞「序に代えて」が巻頭におかれ、
兜太先生へのレクイエムとして上梓された第七句集。
藤色に金の箔押し、函付きの造本。
あでやかでいてしっとりした藤色の表紙が瀟洒です。
蠟梅やシルクロードの荷をほどく
幻聴かしら凍蝶一頭と暮らす
◆谷佳紀「ひらひら」東京四季出版
谷佳紀(たによしのり)さんは若い頃から「海程」で活躍、
一時「海程」を離れたことがありますが、復帰されて。
100キロ、200キロと走るウルトラマラソンの走者でしたが、
2018年急逝され、
1999年からの俳句4千句から選をした遺句集。
その自在な語り口はなんともユニーク。
ひまわりと俺たちなんだか美男子だ
人生はひらひら赤蜻蛉は軽い
◆福富健男「新燃岳」 鉱脈社
「新燃岳」は「しんもえ」と読みます。
霧島火山帯の1400越えの活火山。
表紙の画(大野重幸)は雄渾なこのお山。
その宮崎から俳句を発信しておられます。
とても印象深いのは現代俳句協会70周年(2017年)、
全国大会賞を受賞されたおりの晴れやかな姿。
帝国ホテルでのこと。
その作品はこちら
被爆胎児のわれを陽子と呼びし父
兜太先生の他界を詠まれた句、しみじみと迫って
他界かな雨に打たれて沈丁花