「マルタ・アルゲリッチ&広島交響楽団 被爆70年・平和の夕べ」
この選曲、アルゲリッチのピアノ、
指揮は秋山和慶、
広島交響楽団がぴったりとあわせる。
映像で観て、聴いてでしたが、
5年後の今でも鮮明によみがえります。
以下に、ブログを。
「マルタ・アルゲリッチ&広島交響楽団 被爆70年・平和の夕べ」を
録画で観た。
ベートーベン作曲 「エグモント」序曲 作品84から
コンサートは始る。重厚な手堅い音。
チャールズ・レズニーコフの詩
「ホロコースト」をアルゲリッチの次女俳優のアニー・デュトワ、
作家の平野啓一郎が朗読。(訳詩は平野啓一郎)。
アウシュビッツの衝撃的な内容の詩で、心身に戦慄が走る。
アニー・デュトワは深い内容を感情的にならず、
<声>にすることで、
その詩をくっきりと浮かび上がらせる。
ヒンデミット作曲 交響曲「世界の調和」
「楽器の音楽」「人間の音楽」「天体の音楽」の
3つの楽章からなり、
1930年ころ作曲された。
二部の開幕から、オーケストラ、
アルゲリッチ、秋山和慶、デュトワ、平野が登場し、
原民喜の原爆詩を平野が日本語で、デュトワが英語で朗読。
いよいよアルゲリッチのベートーヴェンのピアノ協奏曲。
オーケストラ、この詩のあとのためか、
初めは音がくぐもっているよう。
アルゲリッチの一楽章、その音のなんとあたたかいことか。
どこかあまりの上手さに敬して遠ざかっていたアルゲリッチ。
映像で、i家の音響であっても、
もうこの音でわしづかみされてしまった。
二楽章のなんというやわらかで
魂までしみいる・・・
三楽章のロンド・アレグロ・スケルツァンドは
軽快で面白く、そしてあの速さ。
アルゲリッチの呼吸を秋山&広島交響楽団が
受け止め、オーケストラも高揚して。
もうもう技術や曲の解釈など軽がると
超えたところにあるアルゲリッチのピアノ。
詩のホロコーストとこのピアノ協奏曲の
生命力の躍動。
静かにそして力強く、
まさに「平和への祈り」をつたえるコンサート。
ホームページ
「被爆70年となる2015年。
世界でもっとも注目を集めるピアニストの一人、マルタ・アルゲリッチと、
”Music for Peace”を掲げる広島交響楽団が共演する。
音楽を通じて犯罪や戦争を減らしたいという考えから、
貧しい子どもたちと一緒に 演奏したり、
東日本大震災のチャリティーコンサートを開くなど、
独自の活動を展 開してきたアルゲリッチ。
この夏、平和への願いを込めて、
デビュー曲であるベー トーベンの「ピアノ協奏曲第1番」を広島交響楽団と演奏する。
また、広島の原爆 詩とアウシュビッツの経験に基づく詩を、
アルゲリッチの次女アニー・デュトワ、 作家の平野啓一郎が朗読。
平和をテーマとするコンサートをじっくりお届けしたい」。
<曲目>
ベートーベン作曲 「エグモント」序曲 作品84
ベートーベン作曲 ピアノ協奏曲第1番ハ長調 作品15
ヒンデミット作曲 交響曲「世界の調和」
<出演>
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
管弦楽団:広島交響楽団
指揮:秋山和慶(広響音楽監督)
朗読:アンヌ・カトリーヌ・デュトワ、平野啓一郎
<収録>
2015年8月11日 サントリーホール