この11月、
マノエル・ド・オリヴェイラの『繻子の靴』
全編(7時間半!)が上映されるそうです。
その原作の『繻子の靴』は
ポール・クローデル(1868-1955)の小説が原作。
フランスの詩人、そして駐日大使(1921-1927)。
この作品は関東大震災の前後に書かれています。
あの天才彫刻家カミーユ・クローデルは姉。
この『百扇帖(ひゃくせんちょう)』は
クローデルが俳諧にインスピレーションを得て
書かれた短詩172篇。
クローデルはこのすべての詩を
<筆>で書いています。
その主題に対応した漢字二字を
画家・有島生馬(ありしま いくま)が添えています。
ページ右にクローデルの短詩
フランス語の詩を墨書。
ページ左に有島生馬の書で詩の<題>
牡丹の曰く
君われを呼んでぼたんといふ
さもあらばあれ
君にしてわがまことの名を知らんとき
われはたちまちにして崩るべし
(山内義雄訳)
2018年、クローデル生誕150年。
クローデルが日本を離れる1926年にコシバ社から刊行。
折帖形式(29.3×10)。
私が友人から恵与されたのは
フランスのガリマール社刊(2012年)の本です。
◆プロフィール
ポール・ルイ・シャルル・クローデル
(Paul Louis Charles Claudel
1868年8月6日 - 1955年2月23日)は、
フランスの劇作家、詩人、外交官。
外交官としては駐日・駐米フランス大使などを歴任。
カトリック信仰に根ざした諸作品で
「20世紀前半におけるフランス文学の最も重要な存在の一人」と評される。
作品は、戯曲『マリアへのお告げ』、詩集『五大頌歌』、『繻子の靴』など。
彫刻家カミーユ・クローデルは姉。(ウキペディア)
『詩人大使ポール・クローデルと日本』水声社 2018年