萩原朔太郎 詩「およぐひと」 @詩集『月に吠える』 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

萩原朔太郎「およぐひと」は

『月に吠える』1917年刊に載っています。



 萩原朔太郎『月に吠える』初版(復刻版)を見ると

詩がどのように組まれているか、よくわかります。



心臓には「こころ」、

瞳には「め」のルビ。



初版では四行が1ページに置かれ、

ページをめくると

「およぐひとのたましひは水みづのうへの月つきをみる。」

この最終行がページの真中に。





 

詩集『月に吠える』

 

 




   <およぐひと>



  およぐひとのからだはななめにのびる、

  二本の手はながくそろへてひきのばされる、

  およぐひとの心臓(こころ)はくらげのやうにすきとほる、

  およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、

  およぐひとのたましひは水みづのうへの月つきをみる。