オペラ「ベニスに死す」を録画で観みました。
印象深い舞台でした。
(5年前の今日のブログ編集して、再掲です)
あのトーマスマンの、
あのヴィスコンティの「ベニスに死す」。
作曲・ブリテンはヴィスコンティの映画に
感銘をうけたとも言われています。
ブリテン最後のオペラになり、
1973年に初演されました。
今回のはマドリードのレアル劇場で上演された舞台。
言語は英語。
指揮はアレホ・ペレス、
演出はウィリー・デッカー。
出演のメインは男声のみで、
アッシェンバッハの ジョン・ダザック(テノール)と
バリトンの リー・メルローズのふたり。
メルローズは旅人・年配のだて男・ゴンドラの老船頭
ホテルの支配人・ホテルの理髪師・流しの楽師のリーダー
ディオニソスの声の7役を歌う。
このアッシェンバッハをとりまく役を
同一人物でやることによって、
じわじわとじわじわと
精神的に、身体的に、
追いつめられてゆくのがじつにはっきり伝わってきます。
このメルローズのなんと達者なこと。
アッシェンバッハの ジョン・ダザックは冒頭から
その死にいたる終盤まで出ずっぱりで、
十二音技法の難解で長大な歌をうたいきり、
作家アッシェンバッハの美少年に
耽溺してゆくさまをみごとに造形しています。
美少年タッジオはダンサーが演じます。
演出も現実と幻想を形象化して、
もうみごとなこと。
◆歌劇「ベニスに死す」(全2幕)(ブリテン)
<出 演>
アッシェンバッハ: ジョン・ダザック
旅人・年配のだて男・ゴンドラの老船頭・ホテルの支配人・ホテルの理髪師
流しの楽師のリーダー・ディオニソスの声: リー・メルローズ
タジオ: トマシュ・ボルシュジェク
アポロの声: アンソニー・ロス・コスタンツォ
旅行社のイギリス人社員/ベニスのガイド: ダンカン・ロック
物乞い: イトシャロ・メントシャカ
ホテルの案内人: ビセンテ・オンブエナ
ガラス職人: アントニオ・ロサーノ
ウェイター: ダミアン・デル・カスティーヨ
レース売りの女: ヌリア・ガルシア・アレス
イチゴ売りの女/新聞売りの女: ルス・イニエスタ
<合 唱> レアル劇場合唱団
<管弦楽> レアル劇場管弦楽団
<指 揮> アレホ・ペレス
<演 出> ウィリー・デッカー
<字 幕> 三井章子
収録:2014年12月 マドリード・レアル劇場(スペイン)
(画像、レアル劇場のものは見つからないので、
同じ演出(?)のロイヤルオペラからお借りしています) こちら