2018年、2年前の<朔太郎忌> | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔太郎忌、今年は残念ながら中止。

「月に吠えらんねえ」の

清家雪子さんの対談が予定されていました。



「第46回 朔太郎忌」、

2年前を振り返ってみました。懐かしい。

 

 

 

 







1942年5月11日、萩原朔太郎薨去。

今日、5月12日に第46回朔太郎忌が催された。


第一部シンポジウムは「萩原朔太郎をいま、読み直す」

パネラーは詩人の高橋睦郎さん、

美学者の星野太さん、

そして詩人・作家・フランス文学者

萩原朔太郎研究会会長の松浦寿輝さん。

朔太郎をどう読んだか、朔太郎との出会いから

高橋睦郎さんから話され、

「投稿少年であった高校生の時に三好達治に評を受け、

いわば朔太郎の孫弟子」であること、

「朔太郎が名医の息子であるにもかかわらず、

変人・詩人であることで、前橋の人々から迫害され、

それで詩が書けた。このことが前橋の功績」と。


シンポジウムでは示唆のある発言が多々。


近現代の形而上的な詩を志向したのは

1蒲原有明 2萩原朔太郎、3吉岡実。

あるいは「形而上というのは形而下があるからこそ」

「<魔界>恐れてはならない」。

<「崇高」なる残酷さ>

<『氷島』は実存の骨>

<黄金の滑稽さ>

<金箔付きの孤独>など

詩人・高橋睦朗から発せられた<詩語>に

つらぬかれた。


第2部はリーディングシアター。

朔太郎の「天に怒る」より

「ただ港だけが故郷(ふるさと)だ」


桑原飛宇馬(文学研究者)による

 

演出・脚色で上演され、

今回が初演。

出演は堀内正美さん、柳沢美千代さん、斎藤佑介さん、

手島実優さん、そして萩原朔美さん。

創りこまれたリーディング、

堀内さんの練れた<声>に聞きほれる。


朔美館長のいう

「言葉を声で、身体をとおすことでより伝える」ことを堪能して。