朔太郎の<五月>Ⅳ 「五月」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔太郎の<五月>のⅣ。

詩集『月に吠える』以前の詩、

「愛憐詩篇ノート」という習作があります。

『萩原朔太郎全集 第二巻』に載っています。

どちらかというと感傷的な・・・


    
    五月


私の大好きな五月

その五月が來ないうちに

もしかして死んでしまつたら

ほんの氣まぐれの心から

河へでも身を投げたら

もう死んでしまつたらどうしよう

私の好きな五月の來ないうちに


                 (愛憐詩篇ノート)





この詩、三善晃によって、

1976年に作曲されています。

「抒情小曲集」-萩原朔太郎の詩によるー

(ほおづき・少女よ・雨の降る日・小曲・五月)

デリケートな和音や調性で書かれた

佳品になっています。

 

 

 

 

 

『萩原朔太郎全集』(鴉のイラストは朔太郎のデザイン)