オペラ「ウェルテル」を初日(19日)に観てきました。
メゾソプラノ・藤村美穂子さんを聴きにいったのですが、
もうもう素晴らしくて、圧倒的なシャルロット!
藤村さんをオペラで聴くのは初めて。
いまさらですが、ディクションのなんと美しいこと。
今回のフランス語も明瞭で、子音そして母音、
言葉が明晰で、それが声の響き、メロディーも際立ってきます。
声それ深みがあって、美しい。
ずっと聴いていたくなる心地よさ。
磨きぬかれたその声はしなやかな絹糸、
それが撚りあわされ、艶をたたえてあでやかで、
芯はゆるぎなく、それでいて柔らか。
声は藤村さんから出ているのですが、
<音>のドームとなって、彼女をつつみ、
劇場いっぱいにひろがってゆく。
ウェルテルの愛の言葉をあびている
その背や横顔、感情のゆらぎと
「いえ、いけない」という理性のせめぎあい。
シャルロットの性根を<生きている>。
シャルロットが誠実であるからこそ、
その<愛>と<現実>とのはざまで苦悩する。
三幕の「手紙の場」から
「涙を流させるままに」は圧巻。
「手紙」の肺腑を抉るような切実さ、
「涙」ではこちらも滲んできて・・・
窓のむこうには雪が降っていました。
ウェルテルはアルバニアのテノール、サイミール・ピルグ。
ヴィジュアルも、背丈もあって素敵です。
なによりも詩人にみえました。
声は明るく、のびやか。
ときおり響きが引っ込んだりしましたが。
指揮はイギリス人ポール・ダニエル。
演出はニコラ・ジョエル。
ドイツの村の木木、第2幕では背景に山々、
自殺するウェルテルの部屋には書棚に本。
マスネーの音楽の流れにそった、演出でした。
あまり上演されることのない「ウェルテル」、
藤村シャルロット、
24日(日) 26日(火),
まだ間に合います♪
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◆藤村美穂子 公式HP
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