安西篤さん 海原秀句鑑賞 「野分また野分の夜の水を聴く 山本掌」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金子兜太主宰「海程」から安西篤代表「海原」へ。

その「海原」に安西篤さんの選句による

<海原秀句>があり、

わたしの句の鑑賞があります。

ご許可を得ましたので、こちらに。

 

 

 

「海原秀句鑑賞」  安西篤


   野分また野分の夜の水を聴く     山本 掌


作者は意識造型派の俳人だから、

外部の景も常に内部的に形象する。

「野分また野分の夜」とは、野分の吹き続く夜。

そんな夜夜の風音の中に、

耳を澄ませば水音が聞えてくる。

おそらく水音は作者の内面の響き合いかもしれない。

そこに水音を求める思いが仮託されていよう。

それが何かは、読者それぞれの内で思い描けばいい。

おそらくこういうイメージは、

容易に各自の中で思い当たる情感に違いないからだ。



      「海原」2018年12月 no.4