金子兜太主宰「海程」から安西篤代表「海原」へ。
その「海原」に安西篤さんの選句による
<海原秀句>があり、
わたしの句の鑑賞があります。
ご許可を得ましたので、こちらに。
<「海原秀句鑑賞」 安西篤>
野分また野分の夜の水を聴く 山本 掌
作者は意識造型派の俳人だから、
外部の景も常に内部的に形象する。
「野分また野分の夜」とは、野分の吹き続く夜。
そんな夜夜の風音の中に、
耳を澄ませば水音が聞えてくる。
おそらく水音は作者の内面の響き合いかもしれない。
そこに水音を求める思いが仮託されていよう。
それが何かは、読者それぞれの内で思い描けばいい。
おそらくこういうイメージは、
容易に各自の中で思い当たる情感に違いないからだ。
「海原」2018年12月 no.4