篠田桃紅『一〇五歳 好きなものと生きる』 本の紹介 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『桃紅一〇五歳好きなものと生きる』2017年11月刊 世界文化社

美術家・篠田桃紅さんの仕事場、愛用の品々など

写真とその品々にまつわるエッセイ。



現在も作品制作に打ち込む姿は凛として、

孤高、いえ孤絶というたたずまい。

自宅と富士山を望む別荘のしつらい、

敬愛する芸術家の作品、

文房四宝や自作という着物、

漆椀に菓子皿が紹介されている。



「好きなもの」は、

時間を経た<もの>だけがもつ

凝縮された美意識があって、

しかも使い続けることによって醸されるその品格。

どれをとっても「ううむ」と感に絶えない逸品ばかり。


目次はこのよう。

・昔と今を繋げている 客人よ、琴を抱いて来たれ

・有名もへちまもない あなたのつくるものはいいですか?

・なにしろ百年以上生きていますから

・なにぶん旅のことで じゃんじゃん使っている

・一夕の夢物語 江戸の手仕事

・一生もの 七夕伝説のなごり

・父への手紙 禅林句集

・杏の木の下で まだ宵の口でしょ

・竹香の印

・文房四宝を想う 雲の色がきれいだね

・紙を継ぎつつ 無用の時間を持つ 一切は変わる

 



◆篠田桃紅
美術家。1913年生まれ。東京都在住。
墨を用いた抽象表現主義者として、
世界的に広く知られており、現在も第一線で制作している。

 



◆紹介された<好きなもの>

紫檀の椅子
交趾焼の菓子皿
蒔絵の重箱
切り嵌めの羽織
墨で描いたきもの
父への手紙
犀星の掛け軸
富士を望む山荘