オペラ「ドン・ジョバンニ」モーツアルト作曲
パーヴォ・ヤルヴィ指揮&N響、
演奏会形式を録画で観る。
オーケストラの前に白いベンチが並び、
そこで演技をしながら歌い、
照明がドラマを語る。
普段はオケピットには入らない、N響のオペラ。
こんなにもモーツァルトの音がくっきりと薫り高く響くのか。
パーヴォとの信頼関係がうかがわれて。
歌手がまた素晴らしい。
レポレッロのカイル・ケテルセン。
深い低音でしかも軽快に溌溂とした演技が
なんて生き生きとしていることか。顔も濃い。
カタログの歌ではタブレット、スマホも登場。
ドンナ・エルヴィーラのローレン・フェイガン、
存在感のある美貌ソプラノ。
捨てられて、なお思い切れない心情を切々とうたう。
中音域の充実していること。
驚いたのがドン・オッターヴィオのベルナール・リヒター。
この役、そうドンナ・アンナの許婚でなにか添えもの的な感じ。
テノールの声の美しさ。甘いマスクとすらりと上背もある。
なにかピュアで清冽なテノールのアリアが響き渡る。
フォークトを彷彿させて。
ラストの「地獄堕ち」の緊迫感。
騎士長のアレクサンドル・ツィムバリュクの深々とした声
その迫力は圧倒的。
ツェルリーナの三宅理恵も二つのアリアを聴かせる。
マゼットの久保和範のバリトン。
パーヴォ・ヤルヴィの指揮はいうまでもない。
◆モーツァルト作曲 オペラ「ドン・ジョバンニ」
ドン・ジョヴァンニ:ヴィート・プリアンテ
ドンナ・アンナ:ジョージア・ジャーマン
ドン・オッターヴィオ:ベルナール・リヒター
ドンナ・エルヴィーラ:ローレン・フェイガン
レポレッロ:カイル・ケテルセン
騎士長:アレクサンドル・ツィムバリュク
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:三宅理恵
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
出演者の画像はこちらから
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=731
収録:2017年9月9日 NHKホール