金子兜太 句集「東国抄」 本の紹介 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

よく眠る夢の枯野が青むまで    兜太

 

眠りほどけて詩の訪れぞ青葉木菟



老梅の白咲き白濁の残雪



おおかみに螢が一つ付いてきた

 

 

 

 




金子兜太「東国抄」は第13句集。

1995年秋から2000年初夏までの作品を収録し、

2001年花神社刊。

 

雄渾な題字はむろん兜太。

句の初出は俳誌「海程」で毎月の巻頭をかざる。


もはや自在の域で、

息をしても句になるのでは、

そう思えるほど、言葉がしなやかで、柔軟。

たくさんの人々をおくる追悼句が胸に沁みる。


あとがきの「わたしはまだ過程にある」は

直接聞きもし、いくたび読んでも「はッ」となり、迫ってくる。

このとき兜太80歳。

そしていまも「過程」にある。