萩・はぎ <安西篤 俳句鑑賞> | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

  萩あふれ人口水晶体屈折                掌









◆安西篤鑑賞

眼球に人口水晶体を取り付ける手術をして

 

初めて外界を見たとき、

萩の花があふれるように目にとびこんで来たのだろう。

中下句のメカニックな表現が萩のゆれと照応して、

視像を鮮明に射止める。

生の営みや<もの>の質感を、

日常性の中に肉体化して表現する作品。

知的屈折があって、アイロニカルな構成的映像になっている。



◆山本掌 個人誌「月球儀」6号に掲載