萩・はぎ <安西篤 俳句鑑賞> 萩あふれ人口水晶体屈折 掌◆安西篤鑑賞眼球に人口水晶体を取り付ける手術をして 初めて外界を見たとき、萩の花があふれるように目にとびこんで来たのだろう。中下句のメカニックな表現が萩のゆれと照応して、視像を鮮明に射止める。生の営みや<もの>の質感を、日常性の中に肉体化して表現する作品。知的屈折があって、アイロニカルな構成的映像になっている。◆山本掌 個人誌「月球儀」6号に掲載