成田空港に展示された作品
盆景
萩原朔太郎
春夏すぎて手は琥珀、
め
瞳は水盤にぬれ、
石はらんすゐ、
いちいちに愁ひをくんず、
みよ山水のふかまに、
ほそき滝ながれ、
滝ながれ、
ひややかに魚介はしづむ。
詩集 『月に吠える』より
朔太郎、<盆景>を好んでいたのでしょうか?
盆景とは、『日本書紀』に記述があって、
なんと1400年の歴史を持ち、
お盆の中に自然の景色や名所を立体的に
再現した伝統技術作品。
「春日権現験記絵」に描かれた日本最古の盆景
箱庭をさらに精緻にした驚異の「ジオラマ」、とも。
詩に「石はらんすい」とありますが、
小山潭水(たんすい)・日本盆景協会(100年前に創立)を
創設した方を、「たんすい」ならぬ「らんすい」といったものか。
朔太郎、かなり朔太郎流に漢字をかえたりしていることもあるので。
あるいは詩作品なので、名前を替えたのかも。
「神峯飛瀑」(盆景、盤景、盆石の世界より)
現在では新盆景協会が2015年に発足し、
美術展、成田空港などに作品を展示。