スワン情報誌「クラブスワン」vol.31掲載写真
この4月から萩原朔太郎記念 前橋文学館の館長となった
萩原朔美氏の館長ご挨拶が文学館の
ホームページに載っていますので、ご紹介を。
前橋文学館館長に就任して
―文字と出逢う場所を作る―
萩原 朔美
初めて前橋を訪れたのは、敷島公園にある
朔太郎の詩碑の除幕式です。
小学生の私が白い布の端を引っ張る役を仰せつかり、
とても緊張したのを覚えています。
その小学生が今年で七十歳になり、
しかも、前橋文学館の館長になるのですから、
人生何が起こるか分かりません。
布を引っ張っぱった時と同じように、緊張しています。
文学館は文字との出逢いの場所です。
心を揺り動かされる言葉といかに多く出逢ってもらうのか。
文学館は建物のことではありません。
文学館は出来事です。その意味では、
前橋のあらゆる場所が文学館になりうるのです。
文字離れと言われる今、文学館の役割はとても重要です。
「言葉は人間が作ったものだけれど、
それ以上に言葉によって人間は作られている」からです。
言葉を粗末に扱うということは、人生を粗末に扱うことです。
前橋文学館で出逢った言葉や出来事によって、
人生がより深い味わいあるものに変貌する。
そんな文学館にしていきたいと、今強く思っています。
◆5月8日まで 「朔SAKU 写真展」開催。
http://www.maebashibungakukan.jp/wp-content/uploads/2016/04/bungaku_april-june.pdf