「三井家伝世の至宝展」を観た。
三井記念美術館は建物そのものが美術作品。
三井文庫開設五十周年、
三井記念美術館開館十周年にあたる、
記念特別展が開催されている。
館内というより、
どこぞのお邸に宝物が陳列されているといった感じで、
室内の設えにも眼がうばわれる。
飴色で重厚な壁、レースに
ドレープがゆったりとられたシルクのカーテン、
作品を抑え気味の照明、
そのほのあかりに志野や黒茶碗が浮び上がる。
どの一点を観ても、ため息がでるばかり。
藤原定家筆の「熊野御幸」、
ところどころ消されたり、書き込みがあったり、
まさにリアルな息遣いが感じられる。
能面の「孫次郎」「小面」には妖しいまでの美しさ。
すーっと吸い込まれそう。
見惚れた。
円山応挙の「雪松図屏風」、
金、金砂子に墨。
どっしりとした松の存在感に圧倒される。
如庵
茶席がしつらえられた
「如庵」の凛とした佇まい。
三井家の宝物、
重文や国宝がさりげなく展示されて、
この室内空間とあいまって、素晴らしい。
充実した展示を堪能した。
2016年1月23日(土)まで。
◆インターネット ミュージアム
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=743