「プラド美術館展」を
三菱一号館美術館で観た。
「スペイン宮廷 美への情熱」とあり、
今回はプラド美術館にある個性豊かな
コレクションのなかから、小品を中心にしたもの。
時代は15世紀から19世紀にかけて、
スペイン、フランドル、イタリア、オランダ、フランスの5つの国から、
エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、
ボス(ボッシュ)、ルーベンス、ムリーリョなど
ヨーロッパ絵画の巨匠たちがそろう。
ボスの板絵、カンバスが出来る前には
板に描かれたとか。
ヒエロニムス・ボス(1450年頃~1516年)は
ルネサンス期のネーデルラントの画家で
なんとボスの作品は世界に20点ほどとか。
プラド美術館は「快楽の園」などの貴重な真筆5点を所蔵。
この油彩画「愚者の石の切除」は寓意にみちている。
背景は緻密な田園風景で、
中央に漏斗をかぶった偽医者が
善良そうな患者の頭から花を取り出している。
本を頭に載せた妻が彼らを見つめている。
チラシの解説によると漏斗は愚行を、
書物は科学の重要さを象徴し、
花は金のシンボルとされ、あやしげな司祭は妻の間男。
人間の欲や偽善などを風刺する作品。
http://mimt.jp/prado/sp_1.html
この美術館のホームページにクリックすると
ルーペで各部分が大きく再現される。行って見てください。
かつてプラド美術館で、
このボス(ボスコと発音していたかな)の部屋で
「快楽の園」などをじっくりと観た。
ゴヤの黒い部屋で、
「子を喰うサチュロス」などなどを堪能したことも。
ゴヤ作品は下絵と完成した作品が展示された
「傷をおった石工」。
一つひとつゆっくりと観る
愉しさにみちた展示。
1月31日(日)まで。