司修「幽霊さん」、佐々木愛ひとり芝居を観た。
「3・11後、ぼくに出来る、
無理のない支援はないものかと思い続けた。
二年後の東北を歩き、いまだ津波の残した災害の激しさ、
なまなましい景色を眼の前にした。
そこで、津波に呑まれて亡くなった人たちの幽霊が、
生き延びた人たちを慰めていた話を聞き、
ぎりぎりの救いまでも消えていくように、
幽霊も出なくなって寂しいという
老人のこころに語りかけたいと思った」と、司修。
オブジェのような松の木と椅子が3脚が置いてある
シンプルな美術も司修によるもの。
佐々木愛のひとり芝居で「幽霊も出なくなって寂しい物語」を
91歳の婆(ば)さま、ケンズさん、爺(じ)さまをくっきりと描く。
秋田弁がすっと入ってくる。
ふとした笑いなど、母・鈴木光枝にそっくりなのに驚く。
ラストの婆さまと爺さまの緊迫感にみちていること。
終幕に司修「グスコーブドリ」の
映像がしずかに映され余韻を残す。
劇団文化座ホームページより
この日は司修、佐々木愛、金大偉(きんたいい 演出・音楽・映像)
アフタートークもあり、それぞれの「幽霊さん」を語った。
◆「幽霊さん」
作 : 司修
演出・音楽・映像 : 金大偉
舞台美術 : 司修
衣裳 : 岸井克己
司修「宮沢賢治」(劇場の入口に展示)