金子兜太「青水無月あおい空洞(うろ)ですわたくしは」を読む(俳句鑑賞)@「海程」5月 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


兜太80代

               金子兜太80代のころ



              うろ
 青水無月あおい空洞ですわたくしは         山本 掌

 


「青水無月」ってあたりは梅雨時のひじょうに青い季節。

そこへもってきて、自分は空洞(うろ)のようだけれど青々している。

自分の虚無感のようなものがあるんだろうな。

普通の言葉で言うと寂しいということなんじゃないかな。


「あおい」とひらがなで書いたので、

明るくありたいという気持ちもあるんでしょうね。
 

「青水無月あおい空洞(うろ)です」と、こんなに

くどく書いて解釈出来るということは成功でしょうね。


こういう書き方でこの人の複雑な空しい状態を

どのくらいの程度で受け取るかは

読む人によって違うでしょうね。

共通な受け取り方は出てこない気がします。

私なんかは、かなり深刻に受け取ってますけどね。