月あかり土曜の鞦韆鉄におう 掌
(ふらここ)
◆ 鞦韆(しゅうせん)・ぶらんこ・ふらここ・ふらんど
ゆさわり・半仙戯(はんせんぎ)
公園などで、子供がこいでたりするさまは
春の陽気にふさわしい。
とくに春と限らないが、
古来中国では「鞦韆」といって寒食の節
宮嬪(きゅうひん)たちの戯(たわむ)れとした。
盛装の宮女たちが裾をひるがえして戯れるところに、
艶なるエロティシズムがただよい、
漢詩には春の景物として詠まれている。
「ふらここ」「ゆさわり」は古語、
「ぶらんこ」はポルトガル語
と『大日本歳時記』に山本健吉は書く。
春の季語。