オペラ「マノン・レスコー」 @ 新国立劇場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


マノン・レスコー





オペラ「マノン・レスコー」
新国立劇場オペラパレスで2日目を観る。

あの11年震災のため幻の舞台となったオペラの
復活上演。

舞台は実にシンプル。
そこに登場する人間が、
プッチーニの甘美な音楽があふれてくる。

小悪魔のような美少女に出会ってしまい、
ともに堕ちてゆく、デ・グリューとマノン。
デ・グリュー:ポルタの感情のうねりがまっすぐに飛んでくる。
(最高音はもっと響きがほしいような・・・)

美貌を誇りにおもい奔放なマノンから、
アメリカに追放され、砂漠を彷徨し死にいたる、
そんなマノンをブルガリアのソプラノ:スヴェトラ・ヴァッシレヴァが歌う。
軽薄ともいえる驕慢な小娘から、
死の鬼気迫るアリアまでのリリコ・スピントが素晴らしい。
苦難に人間としての<丈>が高くなってゆく。

甘やかなメロディーが人を得るとこんなにも
人間のもつ根源にまで届くような、
<真>を描き出す。

ジェロンドの妻屋秀和のなんて芸達者なこと。
若い娘に囚われてしまった哀しみを魅せてくれる。

三幕の女声合唱の迫力。

間奏曲でオーケストラにブラーボがとぶ。

濃密な時間・空間を味わった一夜。


3月18日、21日に上演。


二幕 








指揮:ピエール・ジョルジョ・モランディ
演出:ジルベール・デフロ
管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団


◆出演

マノン・レスコー スヴェトラ・ヴァッシレヴァ
デ・グリュー グスターヴォ・ポルタ
レスコー ダリボール・イェニス
ジェロント 妻屋秀和
エドモンド 望月哲也