紅葉 Ⅲ 病む馬のまなざしのなか紅葉散れり 掌 <兜太の俳句鑑賞> 病む馬へのまなざしのやさしさがでている。 この句はその心情が書ければよいと決めて書いているから、 それ以上に向う側にたちいろうとはしていない。 しかしあたりの紅葉と馬の目のなかを よぎっている紅葉がより一層哀しい。 紅葉がふつう以上に美しい。