オペラ「夜鳴きうぐいす」大野和士指揮 @エクサンプロヴァンス音楽祭2010 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

夜鳴きうぐいす




ストラヴィンスキー作曲
オペラ「夜鳴きうぐいす」を録画で観る。

大野和士指揮によるリヨン国立歌劇場管弦楽団 。


この舞台が面白い。
舞台奥にオーケストラ、その前に指揮、
歌手や合唱がオペラを演ずるステージ、
その前に水(!?)がはられ、そこでも歌い演ずる。
というか主なのは水の中。

指揮が見えない!?
これは客席の後ろに巨大なプロジェクターを置き、
その映像の指揮を見ることになったとか。

オペラ歌手が腰まで水に浸かって歌い、
さらにすごいのは文楽の人形くらいの大きさの
人形を遣っている!
人形と人間で<一役>。

極端にいうと、
文楽で大夫が浄瑠璃を語るのではなく、
人形の主遣い(おもづかい)の方が声を出すというような
ありえないシチュエーション。

京劇のような顔の造りをして、
華麗な衣装と惹き立てあって、
それがゆらぎながら水に映りこみ、美しい。
西洋人が京劇風な顔をつくっているのを
日本人が見るとエキゾティック。

舞台がじつによくできていて、
奇をてらったという演出ではなく、
説得力がある。

うぐいすのソプラノ(唯一水に入らない)、
華麗なコロラトューらのたしかな声が素晴らしい。

斬新な舞台を観た。


◆歌劇 「夜鳴きうぐいす」 ストラヴィンスキー

夜鳴きうぐいす: オリガ・ペレチャトコ
料理人: エレナ・セメノヴァ
死に神: スヴェトラーナ・シロヴァ
漁師: エドガラス・モントヴィダス
中国皇帝: イリヤ・バニク
侍従: ナビル・スリマン
僧侶: ユーリ・ヴォロビエフ

合唱: リヨン国立歌劇場合唱団
管弦楽: リヨン国立歌劇場管弦楽団

指揮: 大野 和士

人形製作: マイケル・カリー
人形振付: マルタン・ジュネスト

演出: ロベール・ルパージュ

[収録:2010年6月、7月 プロバンス大劇場


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「疾走するマエストロ」朝日新聞
このオペラのマエストロ大野和士の記事 
http://globe.asahi.com/feature/101206/01_1.html