◆日本女優
山田五十鈴と溝口健二
高峰秀子と成瀬巳喜男
若尾文子と増村保造
倍賞千恵子と山田洋次。
女優と監督との宿命的な
出会いによって生み出された
珠玉の四本。
すべて35ミリフィルムで上映。
数々の上映を続けてきた
伝説の《松風座》の復活。
会期 ∥ 7/31 thu - 8/3 sun
会場 ∥ シネマまえばし
料金 ∥ 一本一席 500円
◎全作35mmフィルム上映
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ということで、
『浪華悲歌』1936年・第一映画・72分・モノクロ
溝口健二、『祇園の姉妹』とあわせ
戦前の代表作とのこと。
山田五十鈴、十代の作品。
初々しい悪女ぶり。
原作:溝口健二
監督:溝口健二
脚本:依田義賢
撮影:三木 稔
音楽:音楽部
美術:久光五郎・木川義人・岸川勇次郎
出演:山田五十鈴・梅村蓉子・大倉千代子
大久保清子・浅香新八郎・志村喬
志賀廼家弁慶・原健作・進藤英太郎
竹川誠一
溝口健二、戦前の代表的作品。
社会的な弱者である女性の精神の自立を描いて、
従来のメロドラマ的女性映画のカラを
打ち破った画期的な作品。
◆
家族のために愛人となり、
美人局をしてまで金を稼ぎながら、逮捕され、
恋人や家族にも裏切られる少女を十九才の山田五十鈴が力演。
◆ 大阪の薬種問屋に電話交換手として勤めるアヤ子(山田五十鈴)は、
会社の金を横領した父親(竹川誠一)のために、
問屋の主人(志賀迺家弁慶)の妾になって
借金を肩代わりして貰う。
しかし、いつしか主人の妻(梅村蓉子)が知ることになり
追い出されてしまう。
おまけに兄(浅香新八郎)の学費稼ぎのため、
好色な株屋(進藤英太郎)相手に
美人局(つつもたせ)を仕組むことになる。
逮捕され、恋人(原健作)にも裏切られアヤ子は家に帰るが、
誰も温かく迎えようとしない・・・。
全体に暗いトーンの中でロングショットが多用され、
そのなかに浮かび上がる山田五十鈴の美しい横顔が印象的。
(ぴあシネマクラブ日本映画編2002~2003より)