芭蕉、越後の地に至り、ます。
荒海や佐渡に横たふ天の河 芭蕉
<狂瀾怒濤(きょうらんどとう)の暗夜の荒海。
そのはるか沖合、悲痛な流謫(るたく)の歴史を秘めて
浮かぶ佐渡が島の、夜空に流れる銀河の
胸に染み入るような輝きよ>
実景の忠実な描写ではなく、
旅懐と史的懐古とによる心象風景として
強制した吟。
「横たふ」は状況を言うに所作表現を用いて
強い感動を表白した。
新潮日本古典集成「おくのほそ道」より
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<天の川・銀河・銀漢(ぎんかん)>
無数の恒星の集合体で、川のように見える。
秋には天頂に来て美しく、
七夕の伝説を思いおこさせる。
秋の季語。