松井今朝子『師父の遺言』 2014年刊 NHK出版
松井今朝子による自伝だが、 なんといっても圧巻なのが師・武智鉄二のこと。
この著で松井がかかわったのは
「武智歌舞伎」のあと「近松座」のころ。
歌舞伎の台本書き、演出助手のことなどなど。
親戚でもある坂田藤十郎(じゅるさま)と武智との交流など、
「幕内」にいるものでなければの視点で書かれている。
むか~し、武智演出のオペラ「修善寺物語」を
観たことがあったような。
◆「BOOK」データベースより
変わりすぎるほど変わった人を、
私は一生の師と仰いだ…
祇園の料亭に育ち、歌舞伎の世界に飛び込んだ著者は、
稀代の演出家にして昭和の怪人、武智鉄二に出会った。
この反骨の師が全身全霊で教えてくれた、人生の闘い方とは――。
直木賞作家が波乱万丈の半生を綴る、自伝文学の傑作!
◆松井 今朝子 (まつい・けさこ)
ホームページ:http://kesako.jp/
1953年京都生まれ。
早稲田大学大学院文学研究科演劇学修士課程修了。
松竹株式会社に入社し、歌舞伎の企画・制作に携わる。
退社後、武智鉄二氏に師事して歌舞伎の脚色・演出を手がける。
その後、作家に転身し近世・近代の時代小説を
相次いで発表している。
『仲蔵狂乱』(講談社)で第8回時代小説大賞受賞。
『吉原手引草』(幻冬舎)で第137回直木賞受賞。
主な作品に『東洲しゃらくさし』『幕末あどれさん』(PHP研究所)、
『道絶えずば、また』(集英社)、『円朝の女』(文藝春秋)、『
吉原十二月』(幻冬舎)、
歌舞伎関係の著書として、『歌舞伎の中の日本』(NHK出版)など。