松尾芭蕉「おくのほそ道」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。




おくのほそ道


 月日は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして

行きかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯を浮べ、

馬の口とらへて老(おい)を迎ふる者は、

日々(ひび)旅にして旅を住みかとす。

古人も多く旅に死せるあり。

予もいづれの年よりか、片雲(へんうん)の風にさそはれて、

漂泊の思ひやまず。海浜にさすらへ、昨年(こぞ)の秋、

江上(かうしやう)の破屋(はをく)に蜘蛛の古巣を払ひて、

やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関(せき)越えんと、

そぞろ神のものにつきて心を狂はせ、

道祖神(だうそじん)の招きにあひて取るもの手につかず。





松尾芭蕉「おくのほそ道」、の冒頭。

1689年3月27日(新暦5月16日)に

深川の庵を出立し、

ほぼ半年の旅を終え、大垣に至る。

全行程2400キロにおよぶ。



今回のコンサートでは

紀行文を朗読し、

俳句をうたいます♪