「熊野」の装束
能「熊野」のための事前の
能楽ワークショップ。
第三回目「心のおもむくままに 謡い舞う」
講師は下平克宏さん。
まずは小謡(こうたい)から。
「ツヨ吟・強吟」の「高砂」を一節づつ、
謡い、2・3回やり、通して謡う。
ことば・哥のよこに書かれている「スラリ」や
記号の説明もある。
「弱吟(よわぎん)」は「熊野」から、
「四条五条の橋の上。~名に負う春の景色かな」まで。
京の道々を華やかに、と。
続いて能の面・装束の紹介。
面は女面の若いほうから、
若女(わかおんな)・深井(ふかい)・般若。
男面の中将(ちゅうじょう)を拝見する。
装束は今回の「熊野」のもの。
モデルに順に着けてゆく。
「能楽師は謡い舞うだけでなく、
装束を着けられないといけないんです」と
笑いをとりながら、着々とすすむ。
まず「胴着」で身体を補正し、襟を重ねる。
馬髪鬘(ばすかずら)、
馬の毛でてきており、艶やか。
執着(しゅうじゃく)ものの時のみ、
人毛の鬘になるとか(コワイ!?)、なるほど。
元結(もっとい)で髪を結う。
いよいよ唐織の装束へ。
「熊野」の「着流し」。
若い女性のみ「紅入(べにい)り」という
赤のはいったものになる。
装束を着けるがこれは紐だけで着付ける。
ここまでくるといかにも能の装束となる。
あとは「髪帯」という頭の飾りをつけ、
面をつける。
面は「面を頂く」といい、一礼して、
眼を自分の眼とあわせる。
面をつけるととても狭い範囲しか視野になり、
能を演ずるときは柱をめやすに動く、とか。
手に中啓(ちゅうけい)を持って、
装束完成。
足袋をはいて、動きへ。
構え、すり足、序破急へ。
「しおり」という泣く動作などなどを稽古する。
超初心者にはなかなか充実した
楽しい、ワークショップ。
http://www.hakusho-kai.net/welcome/programs/yuya.html