「鴉」ノート Ⅳ  三好達治 その二 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

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コンサート、いよいよ明日。


三好達治の年譜などを、どうぞ。



  ◆ 詩人安西均の作品「鴉」評。

「冒頭の不気味な暗鬱な情景設定に始まり、

どこからともなく威圧的に聞こえてくる命令の声の冷たさ、非情さ。

その声に服従するよりすべのない人間のひよわさ、哀れさ。

言わば、自己の意志でなく、

何ものかの力によって醜い姿に変貌させられ、

希望も遠ざかり、疲労して、荒れ狂う空の中を

吹き飛ばされていく悲哀と屈辱。

借辞といい叙法といい、完璧なものである。」

                    「現代詩鑑賞講座10 三好達治」




◆三好達治 1900年(明治33年)8月23日~1964年(昭和39年)4月5日


大阪市出身。東京帝国大学文学部仏文科卒。芸術院会員。

堀辰雄、丸山薫たちと月刊「四季」創刊。

現代詩の抒情の回復と発展に寄与。

処女詩集『測量船』(昭5)、

四行詩集『南窗なんそう集』(昭7)、

『駱駝の瘤こぶにまたがって』(昭27)他多数。



はじめ職業軍人への道を歩み陸軍幼年学校を経て陸軍士官学校に進むが、

脱走事件を起こして退校処分となり、京都三高文科に入学。


三高時代はニーチェやツルゲーネフを耽読、

丸山薫の影響で詩作を始める。

大学在学中に梶井基次郎らと同人誌『青空』に参加。


その後萩原朔太郎を知り、詩誌『詩と詩論』創刊に携わる。

シャルル・ボードレールの散文詩集『巴里と憂鬱』の全訳を手がけた後、

1930年、処女詩集『測量船』を刊行。

叙情的な作風で人気を博す。


十数冊の詩集の他、

詩歌の手引書として『詩を読む人のために』(昭27・岩波文庫・入手可)、

エッセイ集『卓上の花』『路傍の花』『月の十日』など多数。



若い頃から朔太郎の妹アイに憧れ、求婚するが、

彼女の両親の反対にあい、断念。

が、アイが夫・佐藤惣之助に先立たれると

妻智恵子(佐藤春夫の姪)と離婚、

アイを妻とし、三国で暮らす。

しかし、すぐに離婚。


これを題材に書かれたのが萩原葉子(朔太郎の娘)

による『天上の花』である。



1953年に芸術院賞(『駱駝の瘤にまたがつて』)、

1963年に読売文学賞を受賞(『定本三好達治全詩集』筑摩書房)。


翌年、心臓発作で急死。

没後、『三好達治全集』全12巻(筑摩書房)の刊行が開始された。



三好の墓は大阪府高槻市の本澄寺にある。三好の甥(住職)によって

境内の中に三好達治記念館が建てられている。


2006年、昭和を代表する詩人三好達治の業績を記念して

「三好達治賞」が創設されている。

                     (ウィキペディアより引用)