「鴉」ノート Ⅱ  曲について | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


プログラムに載せる曲目解説です。

300字の字数制限でしたので、

この詩を、曲を書くには短すぎて、

ちょっとわかりにくいかも。




    <鴉>

「鴉」は三好達治のそれまでの静的な世界から一転し、

詩人の内面を抉り、心理や存在に踏み込んだ詩である。


「わたし」は曇天の荒野をさまよ彷徨う。

と、なにものかの<声>。

  とまれ!(恐怖) 至上命令は次々と下り、

  お前の着物を脱げ!(敗北)

  裸になれ!(恥辱)  
  
  その上衣を拾って着よ!(威嚇と服従)
  
  飛べ!(思いがけない飛躍と自らの化身)
  
  啼け!(内奥の嘆き)

  が、啼きながらも詩人は
 
 「木葉をまくように<言葉>を撒いていた」。




石桁真礼生はこの散文詩にじつに深い精神性のある曲を書く。


作曲には数年の歳月を要した大曲にして石桁の代表作。


 
 鴉よ、飛べ!