小澤征爾
2012年のマツモトキネン音楽祭
8月29日に上演された舞台の放映。
小澤征爾氏は総監督。
小澤氏のインタヴューもあって、
あたたかいお人柄がにじむ。

カーテンコール
このオネゲル作曲の「火刑台」は
この音楽祭では1993年に上演され、今回が2度目。
指揮を若手の山田和樹が振る。
豚の裁判官がジャンヌを裁く場面
オペラというより劇的オラトリオ、
ジャンヌは俳優によって、演じられる。
今回はあのカラヤンのお嬢さん。
声質が少女でないなどの声もあったようだが、
回想がすすみ、ジャンヌをくっきりとドラマティックに。
語り手が物語すすめ、登場人物にもなる。
コメディーフランセーズのクリスチャン・ゴノンが
なんとも達者。
オーケストラを火刑台の火として、
四角に囲い、そこにひとびとが登場(おもに俗界か)。
別の張り出したステージがあり、
ジャンヌそして修道士ドミニクのいる
そこが火刑台となる。

合唱は舞台後方に3段に置かれる。
こどもの合唱がじつに素晴らしい。
よくオネゲルの、フランス語をうたい演じる。
なかなか上演されることのない、
「火刑台のジャンヌダルク」を観ることができた。

NHKのホームページより
オネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」 公演概要
今年は、1993年にSKF松本で上演された
A.オネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」を、
新たなキャストと演出で上演します。
ジャンヌ・ダルクを演じるのはヘルベルト・フォン・カラヤンの娘で
女優のイザベル・カラヤン。
修道士ドミニク役と語り手は、1680年に設立されたフランスを代表する劇団
“コメディ・フランセーズ”のエリック・ジェノヴェーズと
クリスチャン・ゴノン。
演出はコメディ・フランセーズ等で演出を手掛けている、
フランスの若手演出家コム・ドゥ・ベルシーズ。
SKOを指揮するのは2010年のオーケストラコンサートで指揮をし、
SKF松本に鮮烈なデビューを飾った山田和樹です。
山田和樹は2010年以降も、国内外において目覚ましい活躍をしており、
今、世界で最も忙しい、そして今後が益々楽しみな若手指揮者の一人です。
小澤征爾は、今年は総監督の立場で、
この作品の昨年秋の制作会議から参加しており、
3月末に東京で行われた演出家コム・ドゥ・ベルシーズとの打ち合わせでは
「僕がこの作品でお客さんに伝えたいのは、
“何にも勝るのは愛だ、愛が一番強い”ってことなんだ」
と繰り返していました。
小澤総監督は恩師カラヤンの生前に、
この作品を上演することを約束していたそうです。
カラヤンの死後もその娘イザベルとこの企画について
ずっと話をしていたのが、この夏、ようやく実現できることになり、
今回の上演は小澤にとって、恩師カラヤンへの
オマージュの意味もあるようです。
<出演>
ジャンヌ・ダルク:イザベル・カラヤン
修道士ドミニク:エリック・ジェノヴェーズ
語り:クリスチャン・ゴノン
ソプラノ独唱:シモーネ・オズボーン
ソプラノ独唱:藤谷佳奈枝
アルト独唱:ジュリー・ブリアンヌ
テノール独唱:トーマス・ブロンデル
バス独唱:ニコラ・テステ
合唱:SKF松本合唱団、栗友会合唱団、SKF松本児童合唱団
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:山田和樹
演出:コム・ドゥ・ベルシーズ
アーティスティック・アドヴァイザー:ブロンシュ・ダルクール
装置:シゴレーヌ・ドゥ・シャシィ、森安淳
衣装:コロンブ・ロリオ-プレヴォ、田中晶子
照明:齋藤茂男
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