追悼 声楽・滝沢三重子先生 2句 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。






   

  師逝きぬミモザあふれて音鎖せり

                  (さ)





  



  ミモザより水輪のみだれ三重子逝く              掌

     

        (みなわ)







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  <滝沢三重子・ソプラノ>
                1999年2月4日永眠


東京生まれ。

東京芸術大学卒。
毎日音楽コンクール、ソ連でのコンクール第一位受賞。
ソ連・ルーマニアなど各地で「蝶々夫人」「リゴレット」に主演。

日本においては「椿姫」ヴィオレッタ、「リゴレット」ジルダ、
「セビリアの理髪師」ロジーナ、「フィガロの結婚」スザンナ、
多数のオペラの主演。
ウイーン、ソフィアでのリサイタル。

歌曲のレパートリーは
ロシア歌曲(チャイコフスキー・ラフマニノフ・プロコフエフ・
     ムソルグスキー・グリンカ・ストラビンスキーなど)

フランス歌曲(フォーレ・ドビュッシー・ラヴェル・メシアン・プーランク)

日本歌曲、現代音楽の作曲家への委嘱作品など初演多数。


コンクールの審査員としては
毎日音楽コンクール、
ブルガリアでの若手オペラ歌手によるコンクールなどなど。


東京音楽大学教授、二期会会員。









フランス歌曲の専門家として滝沢門をたたいたが、
「現代ものよ」とさらりと言われた。
「現代(いま)に生きていて、
その時代のものをやらないで」どうする、と。


その言葉どおり、リサイタルでの曲は意欲にみちたもの。
世界初演をずいぶん聴かせてもらった。
後年はピアノ、ダントン・ボールドウィン(世界的な歌曲の伴奏者)
との相性がよかったのか、よく組んでリサイタルを。


そのサントリーホールでの会で、
新曲だったため眼鏡をかけ楽譜を見るつもりだったのが、
楽屋に置いたまま。
で、誰が取りに行ったかというとかのダントン・ボールドウィン。
「あのボールドウィンをパシリにつかうのはうちの先生ぐらい」と。


あるいは「大學で教えているから」とドイツリートを中山俤一に師事。
「リサイタルでは歌わないけど」と。


エピソードは数々ある先生で、
毎年夏、生徒を連れブルガリアの声楽セミナーに行っていたが、
そのあとの旅行で、買い物の山。
荷物が重量制限を越えるので、生徒の荷へ。
その後、輸送で靴やバックがダースでくる!?


先生、どうしておられますか?


合掌