こんにちは、最近めっきり寒くなりましたね
私も朝、布団からなかなか出られなくなってきました
今日は、最近話題の子宮内フローラについてお話します。
今年の夏の学会に行った際、企業ブースで初めて子宮内フローラというワードを目にしました。
子宮内フローラ??
気になったので早速お話を聞いてみると・・・
子宮内にも腸内と同じようにいろんな細菌がいて、そのバランスによって炎症が起き易くなったり、
不妊症や不育症との関連も示唆されていると。。。
そして、その企業ブースでは学会に来ている女性医療従事者を対象に無料で検査とアンケートの協力を募集している
とのことでした。
ちょっと面白そうだったので、協力することに
結果は、ラクトバチルス率 92.0% (その他も特に悪そうな細菌はいませんでした。)
とりあえず、結果良好で安心
ラクトバチルスというのは、膣内や子宮内の常在菌で善玉菌。このラクトバチルスが子宮内を高率で占拠していると、
悪玉菌の増殖を抑えられるので子宮内の環境が良好に保てることになります
そのため、ラクトバチルスが減少すると細菌性膣症(膣炎)、性感染症(STD)や骨盤内感染のリスクが増加し、
慢性子宮内膜炎との関連やそれに起因する着床障害の可能性も報告されています。
また妊娠中には流産、早産や破水のリスク増加につながる可能性があるとの報告もあります。
最近の論文では、子宮内のラクトバチルスの割合が90%以上と90%未満での体外受精成績の比較で、
着床率、妊娠率、継続妊娠率、生児獲得率のすべてにおいてラクトバチルス90%以上が有意に高い結果になったと
報告しています。
また、この論文では治療法について記載されていませんが、ラクトバチルスを増やす方法として
ラクトフェリンの摂取を勧める意見も出てきています。
今後研究が進み不妊治療や流産・早産予防に役立つ日が来るかもしれませんね
当院ではまだ子宮内フローラ検査を行っていませんが、
今後の研究結果によっては取り入れることも検討していきたいと思います