留学先は「食の都」&「予防医学の都」リヨン | 甲状腺と予防栄養学の管理栄養士Acco MUKAWAの「栄養カルテ」

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バセドウ病・橋本病のダイエットと体質改善のための食事療法

先日、リヨン中心地で爆発事件がありました。残念無念です。

 

私はリュミエール・リヨン第二大学とクロード・ベルナール・リヨン第一大学に跨る大学院生活を送っていました。前回の記事↓

https://ameblo.jp/basejo/entry-12463140695.html

 

ところで、日本の管理栄養士である私がなぜフランスの大学院を目指したのか?目的地はフランスではなく、明確に「リヨン」でした。

 

その理由とは、

 

◎ 食べ物が美味しい

◎ 予防医学、健康科学、公衆衛生、社会福祉等が勉強できる

◎ 都市である

◎ 物価が高すぎない

◎ 授業料が高すぎない

 

リヨンは「食の都」です。古代ローマ時代から栄え、ローヌ川とソーヌ川の水運を利用して美味しい食材が集まる都市です。ブレス鶏、ローヌやブルゴーニュのワイン、エクルビス、川魚、シャルキュトリー、他にも色々あります。川沿いに続く日曜の朝市(マルシェ)には美味しそうな農産物が所狭しと並んでいます。美味しいパン屋さんやケーキ屋さんもたくさん♪♪チーズも美味しい♡フルーツもいっぱい♡♡

 

日曜日のマルシェでは感動的に美味しいフレッシュチーズに出会いました。小さな通りにあるパン屋さんは石窯で焼いていて、優しいけど力強い味がしました。美味しい思い出がいっぱいです。これはいつかまた、改めて。

©Acco MUKAWA ベルクール広場とルイ14世像 photo Thomas Sabatier,Pixabay

写真はリヨンに来たら誰でも一度は訪れるであろう「ベルクール広場」ルイ14世の銅像が飾られています。この広場から少し外れたところに、サンテグジュペリ像や生家もあります。

 

そして、リヨン1・リヨン2の大学院は予防医学、健康科学、社会科学、公衆衛生、医療政策、福祉制度等が幅広く学べます。公衆衛生学を学べる大学院は他にもいくつかありますが、この多角的な視点こそ私の求めているもの!と思いました。

 

この分野を勉強するには本場に行くしかないと思いました。栄養学の本場はアメリカです。でも、日本の医療制度はどちらかというとフランス式。予防医学、健康科学ならフランスに行こうと思ったのです。

 

ところで、今となってはリヨンは第二の故郷ですが、もともと私はリヨンに縁もゆかりもありませんでした。思い込みや勢いって無謀ですね。

 

リヨンは「予防医学の都」「医学の都」であり、医学や薬学の研究も活発です。余談ですが、WHOの組織「International Agency for Research on Cancer(国際がん研究機関)」も私が通っていたクロード・ベルナール・リヨン第1大学のロックフェラー校舎の並びにあります。毎朝自転車で目の前を通っていましたよ~。ここでは「臭素酸カリウムは危険です」とか、「赤身の肉は発癌性が高いですよ」といった情報を発信しています。

 

©Acco MUKAWA リヨン無料自転車 veloV photo Pierart,Pixabay

このVelo Vという無料自転車で大学院に通っていました。日本の都市部でも最近見かけますが、無料自転車はリヨンが発祥の地です。デポジットを預けて予め登録しておけば、いつでも30分無料で乗れます。駐輪場はいたるところにあるので、乗り継ぐことで時間無制限で乗れてしまいます。真冬は乗る人が少ないので、行先の駐輪場がいっぱいで降りられないということが何度もありました・・・。

 

リヨンは物価が高すぎないところも魅力です。パリに続くフランス第二位の都市であるにも関わらず、パリよりも物価は低いです。家賃はパリの6割程度の感覚でしょうか。学生向けの住宅補助制度(allocation)も充実しているので、それを利用すればかなり出費を抑えることができます。

 

そして、授業料。フランスの国立の大学は「無料」です。実際には登録料が必要なので年間に300€程度は必要ですが、円に換算すると年間「4万円」程度。また、大学登録中は学生向けの健康保険もお手頃に加入でき、病気にかかった場合、治療費はたしか「無料」でした。歯科にかかる場合は保険外です。先進国の大都市で、最先端の学問が無料で学べる。これは何よりも魅力でした。もちろん外国人である私が入学することでフランス人一人の枠を奪ってしまう訳です。それなら一生懸命勉強して、どこかで還元しなくちゃ、と思いました。

 

社会人入学の場合の登録料は2000€程度だったと思います。企業から派遣の場合は企業負担が一般的ですが、自腹で入学されている方もいました。フランスは学歴社会。終身雇用制度はほぼ存在しないので、ある程度働いて退職、大学院に戻って学位をとり、再就職先で昇級というパターンが多いようです。

 

大学院に登録するにあたって、2カ所でのインターンが義務付けられていました。それぞれのインターン先で研究を行い、それぞれ論文にします。1件目のインターンは中間試験の一つ、2件目のインターンの研究発表が最終的なインタビューという形式でした。研究と言っても実験をしたり解析をしたりではなく、インターン先でプロジェクトを動かし、それを評価・分析するというものです。

 

インターン1件目は大学が指定したインターン先で、私は保健センターでした。

 

2件目は自力で探しました。私は健康科学や予防栄養学等をテーマに掲げていたので、大きなフィールドのある大企業を目指しました。といっても、宛てもなかったので、名前を知っている2社に手紙を送り、面接を受けて晴れてインターン先を確保しました。

 

研究のフィールドとした所・・・最近日本でもニュースに出る話題の車のメーカーです。私はそこの社員食堂へ出陣しました。あまりの規模の大きさにびっくりしました。この大規模なフィールドで私はプロジェクトの舵を切ることになったのです。

 

 

インターンの話はまた改めて。