前回、テッド・ウィリアムズの56年前の著書から【アップスイング】を引用したが、近年、投球線とスイング面を一致させることの有用性が当たり前に語られるようになった。

 

ネットやSNSでは「ボールの軌道にバットを入れる」だとか「バットをラインに入れる」だとか言ってる。

 

中には、出典も明かさずにこれを“最新の打撃理論”と紹介しているものもあって、パクリなのか、ただの無知なのか?

 

どちらにしても、それ君のアイデアじゃないよね?って言いたい。

 

それはさておき、こうして、昔、天才が語った理屈が再び脚光を浴びるようになったのは、ダグ・ラッタやクレイグ・ウォーレンブロックといった市井の指導者に師事したジャスティン・ターナーやJ.D.マルティネスがブレイクした2014年頃から。

 

2018.04.03 丹羽政善 「失うものがない者たちの挑戦 フライボールへの取り組みと対策・前編」

 

2020.06.20 NEW YORK POST 「How a failed college baseball player turned the MLB into a hit machine」

 

Google翻訳→ニューヨークポスト「大学野球で失敗した選手が、いかにしてMLBをヒットメーカーに変えたか」

 

昨年、聖地巡礼の道中で買った洋書『Swing Kings: The Inside Story of Baseball's Home Run Revolution』には

テッド・ウィリアムズから彼らに繋がるスイング革命の系譜が示されている。

2016年ナ・リーグMVPクリス・ブライアントの父親がテッドの弟子だったとは知らなかった。

 

 

 

2015年にはMLBでスタットキャストが導入され、長打になりやすい打球速度と角度の組み合わせを表す「バレル」という指標が登場し、ゴロよりもフライを打って長打を増やし得点につなげる「フライボール革命」が野球界を席巻することになる。

 

出典:『MLB.com』

 

ただ、「バレル」によって【アップスイング】の目的が誇張されすぎる傾向がある。これ問題

 

投球線に沿ってスイングすることはインパクトゾーンを長く取ってタイミングの誤差をカバーするのと同時に、スイングの力を効率よくボールに伝えるためであって、フライを打つためではない。

 

そもそも、「打球がバレルとなるには、少なくとも打球速度が158km/h以上必要とされる。」(Baseball Geeks)とある。

 

MLBの平均打球速度が140km/h位だから、そのハードルは決して低くない。

 

そのうえ、投球線に合わせて約10度上向きにスイングしても、26~30度の打球を打ち上げるには中心衝突させないでボールの少し下を打たなければならないから(偏心衝突)、並みのスイングでは到底158km/hを超える打球速度を出すことはできない。

 

パワーがなければ、平凡な外野フライになるだけだ。

 

【アップスイング】は明らかに長打になりやすい「バレル」の打球を生むのに有利だが、パワーヒッターでなければ「バレル」など狙わず、少し上向きに中心衝突させてライナーを打つべきなのだ。

 

そうすれば、十分良いバッターになれる。

 

あー、今回も本題に入れなかった。

 

情報量が多すぎるので、また次回にします。