前回は、信用創造(銀行は広く国民から集めたお金を元手に融資しているのではなく、何もないところから魔法のようにお金を創造している)について説明しました。
今回のテーマも、『信用創造』です。
まずは、個人・企業が借金をするということを各々に分けて考えていきたいと思います。
1.個人の場合
Aさんは、家を建てるため2000万円のお金を銀行から借金をすると、Aさんの預金口座に貸出金相当額(2000万円)が創造(記帳)されます。
Aさんが2000万円分のお金を銀行から借金をすると、日本国の中に存在する預金の総額が2000万円分増えることになります。
2.企業の場合
企業Xは、事業拡大をするため新しく工場を建設することになり、銀行から1億円の融資をしてもらうと、企業Xの預金口座に貸出金相当額(1億円)が創造されます。
企業Xが1億円分のお金を銀行から借金をすると、日本国の中に存在する預金の総額が1億円分増えることになります。
では、日本政府の場合はどうなるのでしょうか?
3.国が借金をする(政府が負債を増やす)、国債を発行して借金をする場合
国が新規国債を発行して、これを政府支出という形で公共事業や給料の支払いでも何でもよいですが民間に支出をした場合、民間の貯蓄はその分増えることになります。
要は、
誰かが銀行から借金をすると、その分だけ日本国の中に存在する預金の総額が増える
ということです。
逆に、借金を返済した場合を考えてみてください。
お金を借りたときに預金が発生するのであれば、借金を返済したときにはその預金が消滅します。
誰かが銀行に対する融資を返済したとき、日本国に存在する預金通貨はその分消滅するということです。
我々が生きているこの資本主義の社会で使っているお金とは、借金をすることによって生まれて、借金を返済することで消えていくということです。
元衆議院議員 安藤裕
2020年にお一人10万円の特別定額給付金(新型コロナウイルス感染症緊急経済対策)およそ13兆円の現金給付がありました。
日本政府が国債を発行して財政出動すると我々の預金の総額が13兆円増えました。皆さんの預金口座が10万円増えましたよね!
「国の借金を減らさないといけない、返さなければならない、財政黒字を達成しなければならない」ということは、日本国内に流通している預金通貨の総額は減らすということですから、日本国民は貧しくなるということを覚えておいてください。
次回は、「竹中平蔵教授の罪」「GDP」について説明します。

