2023年シーズンは5位に低迷し、来シーズンは巻き返しを狙う埼玉西武ライオンズ
今シーズンの課題の1つとなったのは、抑え投手が固定できなかった事です。
今季は増田達至がチーム最多の19セーブを挙げたものの、防御率5.45と安定感を欠き、9月に出場選手登録を抹消されると再昇格する事はありませんでした。
シーズン途中に獲得したクリスキーも7セーブを挙げたものの、オフに自由契約となり、退団。渡辺久信GMは「今季は終盤のリリーフ陣の安定感がなかった。新しい選手が出てきて厚みがほしい」と語っています。
そんな中で12月7日、今シーズンニューヨーク・ヤンキースで45試合に登板し、メジャー通算108試合に登板した実績を持つアルバート・アブレイユ投手と契約合意に達したと発表しました。
【西武】前ヤンキースのアルバート・アブレイユ投手を獲得(日刊スポーツ)
西武は7日、前ヤンキースの右腕アルバート・アブレイユ投手(28)と契約を結んだと発表した。
ドミニカ共和国出身で、背番号は54に決まった。
アブレイユは「ライオンズという伝統ある素晴らしい球団に加わる機会を与えていただき光栄です。深く感謝します。チームに貢献できることを楽しみにしていますし、毎試合全力を尽くす準備はできています」とコメント。
渡辺久信GMは「後ろで投げることを期待しています。100マイルのストレートとスライダーで空振りを取るタイプのピッチャーで、今年ヤンキースで1年通して投げ、経験も豊富なため、勝ちゲームで投げてほしいです」とコメントした。
今回は西武が獲得を発表したアルバート・アブレイユについて紹介します。
今季メジャーで45試合に登板 100マイルを計測する“ハードシンカー”が武器
アルバート・アブレイユはドミニカ共和国モンテ・クリスティ州出身の28歳。右投右打の投手です。
2013年8月にアマチュア・フリーエージェントとしてヒューストン・アストロズと契約をして、プロ入り。
翌年の2014年に傘下ルーキー級ドミニカン・サマーリーグアストロズでプロデビュー。14試合3勝2敗、防御率2.78、54奪三振を記録した。
2015年はルーキー級でプレー。13試合2勝3敗1S、防御率2.51、51奪三振を記録した。
2016年はルーキー級、1A、1A+でプレー。3球団合計で24試合3勝8敗4S、防御率3.72、115奪三振を記録した。
同年オフの11月17日に交換トレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍した。
2017年はルーキー級、1A、1A+でプレー。合計で14試合2勝3敗、防御率3.38、61奪三振を記録。またオフには40人枠入りを果たした。
2018年はルーキー級、1A+、2Aでプレー。合計で17試合4勝6敗、防御率5.20、74奪三振を記録した。
2019年は2Aでプレー。23試合5勝8敗、防御率4.28、91奪三振を記録した。
2020年8月8日にメジャー初昇格。また同日の試合で登板し、メジャーデビューを果たした。この年はメジャーで2試合0勝1敗、防御率20.25、2奪三振を記録した。
2021年はメジャーで28試合2勝0敗1S、防御率5.15、35奪三振を記録した。
2022年は4月にテキサス・レンジャーズへトレード移籍。7試合に登板したが5月30日にDFAとなり、6月2日にカンザスシティ・ロイヤルズへトレード移籍。4試合に登板したが、6月17日にDFAとなり、同月21日にウェイバーを経て、ニューヨーク・ヤンキースへ復帰した。
この年はメジャー3球団で合計33試合2勝2敗、防御率3.26、38奪三振を記録した。
2023年はメジャーで45試合2勝2敗、防御率4.73、61奪三振を記録した。
シーズン成績
上記はアルバート・アブレイユのシーズン成績です。
今シーズンはメジャーで45試合2勝2敗、防御率4.73、61奪三振を記録しています。
魅力的なのは奪三振奪取能力の高さ。通算のK/9は9.0。今シーズンは9.3K/9(59.0イニング/61奪三振)を奪うなど終盤のイニングを任せたいと思わせる能力です。
一方で課題を残しているのは制球力。通算のBB/9は5.2。今シーズンは5.3BB/9(59.0イニング/35四球)と不安が残ります。
ただメジャーレベルで奪三振率が9点台と言うのは大きな魅力であり、クローザー候補としてはこの上ない実力者ではないかと思われます。
100マイルを超えるハードシンカーと高速スライダーが持ち味
上記はアルバート・アブレイユの球種別成績です。
2023年の球種配分を見ると、ツーシーム(シンカー):54.3%、スライダー:28.1%、チェンジアップ:14.4%、ストレート:3.3%となっていて、基本的には上位3球種を投じています。
まずはツーシーム(シンカー)ですが、今季最速161.7キロ、平均156.9キロを計測。平均球速ではMLB上位級の評価を与えられるなどボールのパワー面に関しては抜群と言えます。
またゴロを打たせる球種としても評価が高く、ツーシームの通算ゴロ率が56.3%を記録するなどバットの芯を外してゴロを打たせることが出来ています。
スライダーはMLBの平均的なボールよりも縦横の変化が小さいですが、平均140キロ台を計測するなど高速スライダーと言っても過言ではありません。
特に空振り率、三振率ともに優秀で決め球として高い精度があると言えそうです。
チェンジアップはツーシームと近い変化量を示しているデータがあり、近い軌道で投じられるため打ちづらさにも繋がりそうです。
プレー映像
↑球種別映像
↑2023年のプレーハイライト
映像を見るとセットポジションからボールを投じ、テイクバックが小さいフォームで打者はタイミングが取りづらそうな印象です。
やはり目を引くのはツーシーム(シンカー)。小さいテイクバックから投じることもあり、ミットにズドンと決まるようなボールが多く、NPBではなかなか見られないタイプの球威であると言えます。
スライダーは大きく曲がるタイプではありませんが、打者の手元で小さく曲がり、球速も早い事でツーシームを待っていた打者が空振りしてしまう印象です。
制球面の課題や調子のムラが大きい事で、好成績をあげるまでには行かなかったものの、ポテンシャルの高さは抜群。NPBのボールが合えば、投手として一段上の力を発揮する可能性も高そうです。


