2023年11月の状況
FA権行使を決断し、申請書類を提出(11月14日)
西武は14日、山川穂高内野手(31)が国内FA権を行使したと発表した。
節目の10年目に並々ならぬ意気込みを示し、3月のWBCでは世界一メンバーにもなったが、5月に自身の不祥事が明るみに。強制性交容疑で書類送検され、約3カ月後に嫌疑不十分で不起訴処分になった。
球団は1、2軍の公式戦無期限出場停止処分を下し、今季はわずか17試合の出場のみ。ただ、4月に右足痛で出場選手登録抹消になった時期があり、「故障者特例措置」により、シーズン後に国内FA権を正式に取得していた。
熟考を重ねていたものの、行使表明期限の最終日となる14日に申請書類を提出。16日からは西武を含む全球団と交渉が可能になる。
西武はすでに単年契約を提示。成績、他選手への評価・影響などを踏まえての減額での提示とみられ、宣言残留は認めているものの、条件の見直しはしない見込み。
調査を進めてきたソフトバンクなど、興味を示す球団からの評価が西武を上回る可能性がある。
【評】故障者特例措置でFA権を取得した山川穂高が国内FA権を行使する決断を下しました。
今季は5月に明るみになった不祥事で不起訴処分にはなったとはいえ、9月に球団による無期限の出場停止処分が下されていました。宮崎で行われたフェニックスリーグには出場する事が可能となり、実戦勘を取り戻す場は与えられたものの、処分自体は解除されてはいません。
西武側は減額提示となる単年契約のオファーを提示し、これ以上の条件見直しはないと見られます。
2023年12月の状況
西武に連絡が入る 詳細は不明も退団に関する連絡だったと見られる(12月18日)
西武・渡辺久信GMが18日、西武から国内FAでソフトバンクに移籍することが決定している山川穂高内野手から連絡があったことを明かした。
「(17日に)本人から連絡はもらいました。電話で。結構、いろいろと話はしましたね」と渡辺GM。ソフトバンクがまだ獲得を正式発表をしておらず「内容は言えません」としたが、残留要請に対する断りの連絡だったとみられる。
【評】FA宣言以降、動向がほとんど報じられてこなかった山川穂高が西武側に連絡を入れたことが明らかになりました。
数日前から複数メディアがソフトバンクへの移籍を報じていたものの、正式な獲得発表もなく、西武側も連絡がないと困惑しているという報道もありました。
近日中に正式発表がされるものと見られます。
ソフトバンクが獲得を発表 入団会見も行う(12月19日)
ソフトバンクは19日、西武から国内FA宣言した山川穂高内野手(32)の獲得を発表した。背番号は「25」。
山川は過去に3度の本塁打王を獲得。通算218本塁打を誇る右の大砲は補強ポイントに合致し、今オフのFA市場の目玉的存在だった。
【ソフトバンク】山川穂高の獲得発表、同日会見(日刊スポーツ)
三笠杉彦取締役GM(49)は獲得の経緯について「今年5月に書類送検をされましたが、8月に嫌疑不十分で不起訴処分となりました。我々としましても本事案に関しまして、山川選手本人、山川選手の代理人、可能な範囲内で多方面への聞き取りを行い、不起訴となった理解を深めました」と説明。
選手としての評価については「日本を代表する右のホームランバッターで評価しています。ホークスには左の好打者が多いですので、山川選手が加われば、より破壊力のある打線になると考えています。」と語った。
【ソフトバンク】山川穂高を獲得の三笠GM「多方面へ聞き取り行い不起訴となった理解を深めた」(日刊スポーツ)
山川は「去就が決まっていない状態で、なかなかあいさつができず悔やんでいます。しっかり自分の口から本当はみなさんの前であいさつしたかったのですが、日程的なこと、ここまで時間がかかってしまった。ファンの方にはあいさつするのはここで先ほど述べた言葉であいさつという形になってしまいます。そこは本当に申し訳ないです」と話した。
【評】異例ともいえる獲得発表と同日に入団会見が行われ、山川穂高のソフトバンク入団が発表されました。
会見は半ば謝罪会見のような異様な状況で行われ、入団会見とは思えない雰囲気でした。入団を受けては否定的な反応も多く、球団側にファンからの抗議があった事も三笠GMも認めているほどです。
今後は人的補償に関するリストが西武側に送付され、補償の結論が出されます。
西武側にプロテクトリストが届く 球団内協議は越年へ(12月25日)
西武渡辺久信GMは25日、国内FA権を行使してソフトバンクへ移籍した山川穂高内野手の補償について、人的補償を巡るががソフトバンクから届いたことを明かした。
西武は25日が球団の仕事納め。渡辺GMはこれまで人的補償か金銭補償を選択するかはリストが届いてから判断する方針と語っていた。
リストは到着したが「話し合いは年明けにする」と説明。本格的な協議は仕事始めとなる来年1月5日以降に始める考えを示した。
【評】西武側にプロテクトリストが届いたことが明らかになりました。
西武は今日が仕事納めのため、リスト内容の精査は年明け以降になる事が決まっています。
2024年1月の状況
人的補償として甲斐野央を獲得すると発表(1月11日)
西武は11日、ソフトバンクにFA移籍した山川穂高内野手の人的補償として甲斐野央投手(27)を獲得したと発表した。
甲斐野は東洋大から、18年ドラフト1位で入団。最速160キロを誇る右腕で、昨季はリリーフで46試合3勝1敗、防御率2・53、8ホールド、2セーブをマークしている。
西武・渡辺久信GMは「チームにとって、救援投手が大きな補強ポイントでした。真っすぐとフォークで打ち取ることができるライオンズにいないタイプの魅力的な投手です」とコメント。
「熟考はしましたよ。いろいろ選手見ながら、球団内で話をして決めました。いい戦力だと思います」と話した。
【評】西武側が人的補償として甲斐野央を獲得する事を発表しました。
11日朝の時点では和田毅を獲得すると日刊スポーツが報じ、相次いで複数メディアも報道。SNS上も困惑の声が広がっていました。
福岡県のテレビ局では“10日に和田に打診があったが、方針転換があった”と報じるなど何らかの事があったと推察されます。
西武としては課題だったクローザー候補として有力候補にも挙がる人材を獲得できたと言え、チームの底上げにつながるでしょう。