2021年11月の情報
広島がポスティングシステムを申請 交渉期限は来月23日(11月22日)
MLB機構が21日(日本時間22日)、ポスティング制度を利用して米移籍を目指す鈴木誠也外野手に関し、全30球団に契約可能な選手として通達した。
交渉期限は米東部時間12月22日午後5時(同23日午前7時)に設定され、譲渡金を含め、全球団との契約交渉がスタートする。
すでにマリナーズ、レンジャーズ、パドレス、レイズ、カブスなどが本格的な調査を進めており、争奪戦となることは必至。
しかし今オフはオーナー陣と選手会との労使協定が12月1日で失効するため、交渉が決裂した場合、球界全体がロックアウト(機能停止)される可能性があり、FAやトレードなど全交渉が凍結される。
鈴木の場合、ロックアウト中は交渉期間に換算されず、1日までの9日間と停止解除後の計30日間は交渉期間として保証される。早期決着の可能性がある一方で、労使間の折衝が長引けば、越年するケースも想定される。
鈴木誠也の交渉期限は12月23日 MLBが全30球団に通知(日刊スポーツ)
【評】今月16日、ポスティングシステムを利用してのMLB挑戦が容認されたことが報じられ、今月22日、MLB機構から契約可能な選手としてMLB全球団に通達され、移籍交渉が解禁されました。
申請前から米メディアや記者が報じ、今月中旬のGM会議でも複数球団が関心を示したと報道されています。契約額に関しては外野手のFA市場の層が薄い事も踏まえ、5年契約を軸に60億~100億の大型契約が予想されるなど人気が高騰する可能性があります。
懸念は労使協定の交渉の状況。ここ数年選手会とオーナー陣の対立構造は、日本でも伝わっている通りで昨年の開幕を巡る紛糾が記録に新しいところ。現状協定交渉の情報が伝わってこないため、期限ギリギリまで情勢が注視されます。
代理人が取材に応じ、8球団以上が関心を示していると明かす(11月29日)
ポスティングシステムでのMLB移籍を目指す広島・鈴木誠也外野手の代理人ジョエル・ウルフ氏は28日、「とても多くの球団が積極的に獲得に乗り出している。8球団以上、15球団未満だ」と明らかにし、移籍市場で注目の存在であることを強調した。
ウルフ氏によると、上位打線を担える野手として需要があり、3季連続で四死球が三振を上回った選球眼が「素晴らしい打者の証しの一つ」として高評価されているとした。鈴木側は安心できる生活環境と優勝を狙える点を球団選考の基準にしている。
鈴木誠也、8球団以上が関心と代理人が明かす(共同通信)
米大手エージェント会社「ワッサーマン・メディア・グループ」のジョエル・ウルフ氏が取材に応じ、鈴木誠也に対して「8球団以上15球団未満」が関心を示した事を明かしました。
上位打線を任せられる打力と選球眼を評価されているとのことで、今後の交渉も盛んになりそうです。一方で労使協定交渉は依然として混迷を極めており、ロックアウトの可能性が日に日に高まっています。
2021年12月の情報
シアトル・マリナーズジェリー・ディポトGMがオンラインで面談を行ったと明かす(12月2日)
シアトル・マリナーズジェリー・ディポトGMは1日、ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手とオンラインで面談したことを明らかにしたと球団公式サイトが伝えた。
イチローら多くの日本選手が在籍した球団。ディポトGMは「どうなるか分からないが、関心があるのは確かだ」とし、「彼はさまざまなことをこなす運動能力がある。できるだけ多くの才能を集めたい」と話した。
マリナーズ、鈴木誠也と面談 ディポトGM明かす(共同通信)
シアトル・マリナーズジェリー・ディポトGMが鈴木誠也とオンラインで面談を行ったと明かしました。
マリナーズは今季シーズン2位に躍進し、来季は勝負の年と見定め、既に複数の補強を敢行しています。このオフの補強ポイントに外野手が挙げられており、ディポトGMも「日本人選手がいない状態で開幕を迎えることは選ばない」と発言しています。
ただセンターを守る選手が必要という記事もあるため、本当にフィットする存在として見ているのかは不明です。
しかし12月2日、MLB機構と選手会の労使協定交渉は決裂。26年ぶりにロックアウトに突入しました。球団施設は機能を停止し、全ての選手契約が凍結され、新しい労使協定が締結されない限りは、解除されることはありません。
一部の代理人は「1月中には締結される」という見方を示していますが、ある球団関係者は「開幕までに結べればいい。3月までかかってもこちらは一切問題はない」という見解を示しています。
この期間中は交渉期間も凍結されますが、鈴木誠也がどのような判断するのかが注目されます。
2022年3月の情報
MLBと選手会が労使協定を締結し、ロックアウト終了。移籍交渉が再開(3月11日)
新労使協定を巡るMLBと選手会の交渉が10日(日本時間11日)、決裂により開幕再延長が発表された前日から急転、基本合意に達した。今後はオーナー側の承認を経て、正式契約になる。
労使交渉が妥結したことで、オーナー側のロックアウトも99日目でピリオドが打たれた。
メジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手や菊池雄星投手ら、移籍市場に残る200人以上の選手との交渉も再開される。
メジャー挑戦の鈴木誠也、FA菊池雄星ら交渉再開へ MLBロックアウト99日目で終了(日刊スポーツ)
【評】昨年12月2日から99日間続いたロックアウトが終了。これに伴い日程も発表され、17日からはオープン戦開始、4月6日にはシーズン開幕を迎える事が決定しました。
ロックアウト中は交渉期間が中断されたため、既に消化された9日間を除き、ロックアウトが解除された時点から21日間交渉する事が可能となっています。
MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者は「マリナーズ、ジャイアンツ、ドジャース、カブス、レッドソックスは最も熱心に獲得に動いている球団に含まれる」と明かしています
既に鈴木誠也は代理人の事務所があるロサンゼルスに滞在している事を公表。オープン戦やシーズン開幕を考えると来週中には移籍先を決断する可能性があると考えられます。
サンディエゴ・パドレスの球団幹部と面談 交渉は大詰めの段階か(3月14日)
広島からポスティングシステムでメジャー移籍を目指している鈴木誠也外野手がパドレスの本拠地ペトコ・パークを訪れ、球団幹部と面談を行ったことが分かった。パドレスは移籍先の最有力候補。新天地の選定は最終局面を迎えた。
昨年11月に行った面談はオンラインだったが、現地を訪れ、顔を合わせて会話したことに大きな意味がある。球場や街を視察したことで、交渉が大詰めとなっていることをうかがわせた。
MLBの実績はないが、4年総額6000万ドル(約70億円)規模の大型契約になる可能性がある。パドレスの外野手でメジャー40人枠内は3名と定位置を狙える状況だ。野球人生の重要な局面を迎えた27歳。ついに決断を下す。
鈴木誠也がパドレス球団幹部と面談 交渉大詰め本拠地訪問、新天地決定秒読み(サンスポ)
【評】メジャー移籍を目指す鈴木誠也がパドレスの球団幹部と面談の場を持ったとサンケイスポーツが報じました。
現地メディアもパドレス入りをクローズアップしており、現地記者の談話として「鈴木はパドレスの補強リストで「A」に入るトップターゲット。パドレスは鈴木かネルソン・クルーズを獲得し、エリック・ホズマーかウィル・マイヤーズをトレードする狙いがあった」と語っています。しかしクルーズが他球団と契約を結んだと発表されており、その結果が鈴木に的を絞り、交渉の段階を強めたとされています。
キャンプ、オープン戦開始を踏まれば、今週中が決断のリミットという見方も強く、決断が注目されます。
シカゴ・カブスと契約合意に達したと日米複数メディアが報道 近日中に正式発表へ(3月16日)
ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた広島・鈴木誠也外野手が、シカゴ・カブスと契約合意に達したと15日(日本時間16日)、複数の米メディアが報じた。
ESPNラジオのデービッド・キャプラン記者によれば、5年総額7000万ドル(約82億6000万円)。日本人野手の渡米時では07年オフにカブスへ移籍した福留孝介の4年総額4800万ドル(当時約54億2000万円)を上回り、歴代最高額の大型契約となる。
ジョー・マドン監督のもとで2016年にワールドシリーズ覇制。しかし現在は再建の途上。昨季はナ・リーグ中地区4位に低迷した。当時の主力だったリゾ、ブライアント、バエスらは、いずれも昨シーズン途中でトレードで放出。内外野とも駒不足で、長打を打てる外野手も大きな補強ポイントの一つだった。
昨季まで6年連続で3割・25本塁打をマークし、強肩を武器にした右翼守備にも定評がある鈴木。まだ27歳とチームの将来を担う存在としても大きな期待がかかる。
【評】鈴木誠也が5年総額82億円超という入団時の契約では日本人野手歴代最高額でシカゴ・カブスと基本合意に達したと事が明らかになりました。
14日はパドレスと面談を行った事からパドレスと契約合意と一部メディアが報道。しかし鈴木がSNSで報道を完全否定。直後には米メディアからカブスと面談の場を持ったと報じられていました。
カブスは2016年に108年ぶりのワールドシリーズ制覇を達成。しかしここ数年は低迷が続き、昨年はワールドシリーズ制覇に貢献した主力選手を放出し、チームを解体し、数年後を見据えた戦いを見据えているチームです。
日本人野手歴代最高額での契約をカブスが決断したのは、数年後に迎える勝負期に鈴木誠也が主力として牽引する存在になると判断したからと言えます。正式な合意発表と入団会見で何を語るのか注目です。
シカゴ・カブスと正式合意し、入団会見に臨む 5年総額101億円+背番号「27」(10月19日)
カブス入りが決まった鈴木誠也外野手(27)が18日(日本時間19日)、米アリゾナ州メサのキャンプ施設内で入団会見を行った。
「(ユニホームが)格好いいです。自分がここにいるのが信じられないくらい。すごくうれしい気持ちでいます」と、緊張気味に語った。
約3カ月のロックアウト期間は交渉が凍結していたが、動じることなく、トレーニングを継続。「ここでやりたいという気持ちが強かったので。タフとかそういう感じじゃなくて、すごく楽しんでます」。
メジャーの投手との対戦について「日本の投手とは全然違いますし、スピード、身長、体格も違うので、自分の変化を怖がらず、ここでしっかりアジャストする気持ちで来ています。変化の恐怖心というのはまったくないです」と、意気込みを口にした。
【評】カブス入りが報じられていた鈴木誠也が正式契約を結び、入団会見に臨みました。
契約内容に関しても報じられており、以下のような内容であると報じられています。
契約総額8500万ドル(約97億8000万円)、広島へのポスティング料1462万5000ドル(約16億8000万円)、契約ボーナス500万ドル(約5億7500万円)
年俸22年700万ドル(約8億500万円)、23年1700万ドル(約19億6000万円)、24年2000万ドル(約23億円)、25年1800万ドル(約20億7000万円)、26年1800万ドル(約20億7000万円)
また付帯条項として、全球団へのトレード拒否権が付いています。