秋夕(チュソク)から考えさせられたこと | ばーやちゃんのブログ「リンガフランカ」

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私の頭の中では、
韓国の年中行事の中でも、
最も重要なのではないかと思っているのが、
秋夕(チュソク 추석)です。

今年は、コロナ禍という状況があり、
なおさら感じたのが、

親戚・家族との団らんができない

という事の寂しさ

日本も同様です。
今年のお盆は、帰省しませんでしたし。

チュソクとは、
先祖供養のために家族親戚が集まり、
お供えし、ご先祖さまに挨拶をし、その後家族で団らんする事。
団らんも一つの目的でしょうね。

日本のお盆と同じく先祖を供養します。
国の祭日になるので、前後あわせて3日間休日になるとのこと。
日本のお盆は、特に国の決めた休日ではないですよね。その辺の国民の認識度合いはちょっと変わってきます。日本でいう正月の三が日に近いと思います。


今年2020年のチュソクは、10月1日でした。
「今年の」という表現をしたのは、

陰暦(旧暦)の8月15日であるため、
毎年日付が変わるのが特徴
だからです。

そして、その日は中秋に当たります。
秋夕(チュソク)=十五夜っていう事です。

韓国の行事は、今でもぶれずに陰暦で動いているのが、すごいなと、思います。

恐らく日本でも大昔は陰暦の暦に沿って人々は行事をしていたんだと思います。
今のカレンダーでも十五夜とか載っているものもあるでしょうが、どうですかね?もう、意識していたり言われなければ、日常をただ過ごして終わる可能性が高いのではないでしょうか。


チュソクには、先祖供養の他に、
収穫感謝祭、Thanksgivingの意味合いもあるそうです。
それは、ちょうど十五夜の時期が、お米の収穫時期後にあたりますし、五穀豊穣の感謝祭としても役割があるわけです。

ドラマなどでも祭祀のシーンを見ると思いますが、ご先祖さまに梨の頭の部分を平らに切ったものやチヂミ、その他豪奢なお供え物を祭壇に上げているのを見たことがありますよね?

つまり、
お盆と秋祭りが一緒になっているのがチュソク
ということになります。

一年を通して、
家族親戚が集まり、
無事に収穫が済んで、
ご先祖さまと天の恵みに感謝する、
そして、食事をしながら団らんする。

秋のちょうど気候もいいこの時季。
月も満月がきれいで。


本当に最高の時季に行なっている
いい行事だなー
納得いくなー
と思うんですよね。


一方、日本はどうでしょう。

先祖供養については、お盆とお彼岸がありますね。
彼岸は、秋分の日前後です。秋分の日は祝日ですね。
あまり意識していませんでしたが、
天文的に昼と夜がちょうど同じ時間になる日なので、毎年微妙な誤差が出るため、秋分の日は
毎年変わる祝日なんですね。

お墓参り等して、ご先祖さまを供養する日です。
少し気になるのは、そういう意味合いがどこまで持たれているか。私もお盆ほどは意識していないので、もっと若い世代ではどうなっているんでしょう。


お盆は、特に休日は設定されていませんが、
すごいのは、国民の認識が休日となっている事です。もちろん、お仕事されている業界の方もいらっしゃいます。
が、世間が先祖供養のために休む空気感を作っている。

ある意味すごくないですか?


では、
収穫祭については、どうですかね?

今年は、特にコロナ禍でイベント中止の告知などを目にする事が多くなっています。

そういう状況だからこそ、
元は何があったっけ?

と考える機会が多くなりました。

今私の住んでいる地域で中止になったのは、
神輿や山車などの秋祭りです。

もともとそれほど見に行っていたわけではないのですが、日本の収穫祭は、各地域の秋祭りなのだな、と再確認するいいきっかけになりました。


ちなみにこれも、各地域が伝統的に自主的に行っている行事ですよね。
つまり世間が決めているわけです。


思い出すと、
私が子供の頃も、住んでいる地域にお神輿がありました。
小さいお神輿ですが、一緒について歩いて、道々の家の軒先には、おにぎりが沢山置いてあって、それを好きなだけ取って食べながらまた神輿に付いていく。

そんな光景がよみがえってきました。

そんな行事もいつからか無くなってしまいました。気づいたときにはやっていなかった、という感じです。


地域社会の繋がりが、日本人の秋祭りの存在を左右する、ということだと思います。

もしかしたら、そういうモノを求めた結果が、
今日10月31日のハロウィンの盛り上がりと関係しているのでは?

分かりませんけど。


最後に、
日本が国事として、伝統的に収穫祭を行っているのは、本当に知りませんでしたが、実際あります。

新嘗(にいなめ)祭って聞いたことあるかもしれません。

新米の収穫に対して感謝する、いわゆる感謝祭ですね。

これが行われているのは、
11月23日
勤労感謝の日
です。


「感謝」だけは合ってる笑


何でそんな分かりにくい祝日を設定するんでしょうかね。


日本の暦は、ちょっと国民の実際の行事と離れた感じになってしまっていると思います。

だから祝日は、ただの休日という認識だし、
本当に生活に密着している行事は、
カレンダー上休みじゃなかったり。

色々と考えさせられますね。


それと、祝日の意味に無関心だったのも反省しなければなりませんね。


基本的には、また家族親戚が集まる行事が待ち遠しいと、いう、そんな話でした。

ではでは。