『今まで飲んできたホワイトレディーの中で一番美味しかった』
うちで雇っている高橋がお客様に言われたらしい。
高橋がスモークソルトに来てから一年と3ヶ月が経った。
いつも、私が高橋に教えてきたのはただ1つ。
『心』
お客様の話を聞き、話し、理解をし、そして相手の立場になって物事を考える
そんな人(バーテンダー)になってもらいたいなぁと日頃から思っていた。
私は彼女に早い段階でシェイクやステアの技術を教えた。
ホントならば技術なんて二の次三の次で店の中を綺麗にしたりホスピタルな部分を養ったりを教育するべきなのかも知れない。
たが、私はあえて彼女には技術を先に教えた。
何故ならば、技術の向上なんて、己の意識次第でどうにでもなるからだ。
そんな事よりも、私が彼女に分かってもらいたかったのは『思いやり』『おもてなし』の心をいつでも考えていて欲しかったのだ。
目の前のお客様に対して何を考え、何を思い、何を見つけ出すのか。
お客様と同じ気持ちになれるか。
人はきっと同じ気持ちには絶対にはなれない。
されど、同じ気持ちになろうとする努力はこちらは惜しみなくするべきだと私は思うのである。
以心伝心。。。
BARにおける以心伝心はカウンターから私たちがどれだけの想いを1つのグラスに込める事が出来かだと思う。
そのために私達は色んな経験をし、苦しみ、傷つき、悩み、考えてなくてはいけなくてはならない。
『今まで飲んできたホワイトレディの中でも一番美味しかった』と高橋は言われたらしい。
その時、高橋はそのホワイトレディを作る前にこう思ったと語っている。。。
目の前のお客様はすでにたくさん飲んでるし、そこでホワイトレディを普通に作ってしまうときっと酔ってしまうから当たりが柔らかくそして、アルコールを感じないホワイトレディを作らなくてはいけないんじゃないのか。。。
そしたら、どういう風に作れば良いのだろうか。。。
高橋は私にこう言った。
今までは分からなかったけど剛さんが言っているそのお客様の事を考えるってこう言うことなんだろうなと少しわかりました。
その台詞を聞いたとき私は心のなかで涙が出てきました。
けして、私の思いが高橋に伝わったからではない。
高橋はその目の前のお客様の事を自分なりに考える事ができたからだ。
私は凄く嬉しかった。
今、こうやってブログを書きながらも嬉しくて涙が出てきそうになる。
バーテンダーとは、バーテンダーという仕事をするのではなく、バーテンダーという生き方をするのだとよく言ったものでその答えは一生涯かけて探さなくてはならないと私は思う。
そのきっかけを高橋はもしかしたら見つけたのかもしれない。
バーテンダーとしての技術、酒の知識、会話の技術なんてものは後から付いてくるものなので正直どうだって良い。
大事なのはお客様の事を考えてそして自分はその人に何を想う事が出来るかだ。
そうすれば自ずと技術を磨きそして知識も磨くてあろう。
高橋には毎日怒ってきたし、叱ってきた。
高橋も何回も泣いて苦しんだと思う。
私達はまだまだ技術も知識もおろそかかも知れない。
ただ私達は誰にも負けない強い心が1つだけあります。
それはきっと
『優しい心』
これからもこの気持ちだけは大切にしていきたい。
私達はバーテンダーなのだから。。。
高橋よ!
ガンバレ!!!
東中野
バースモークソルト
佐々木剛